ふと見つけた現代もの。
ん?イケメンのワカメ頭は結構好きだぞと思ったら、鄭業成(ジェンイェチョン)じゃーありませんか。ほう、この方、古装劇だけじゃないのねと思って見てみましたよぅ。
カツラでしたね(笑)
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所感 ネタバレです
天才催眠術師と冷徹刑事、そして事件の鍵を握る女性警官 複雑に絡み合う未解決事件の真相とは─?
コンテンツセブン 無眠之境
龍州市で奇妙な死亡事件が発生。龍州警察・刑事捜査隊の副隊長、羅飛(ルオ・フェイ)は、事件の裏に催眠術が関与している可能性を疑い、催眠術界隈の権威である教授の愛弟子にして天才催眠術師、陸風平(ルー・フォンピン)のもとを訪れることに。捜査協力を依頼する羅飛だったが、彼から思いも寄らぬ言葉を問いかけられる。「陽県殺人事件が起きたあの廃工場で、君は何を見つけた?」と。陸風平は、10年前に起きた陽県殺人事件の被害者の息子で、その事件の真相を追っていた。過去と現在の事件に関連性があると考えた羅飛は、「犯人検挙に協力すれば手がかりを教える」と約束し、取引成立。交換条件のもとに手を組むことになった羅飛と陸風平は、特捜班として一連の事件を捜査するにつれ、10年前の事件の真相にも迫っていくのだが─。
とまあ、こんな感じの物語なんで、期待して見始めたのですが。
面白くなかった訳じゃないんですよ。
天才催眠術師らしいけど妙にチャライ陸風平(ルーフォンピン)に目を惹かれて、この感情の読めない刑事の羅飛(ルオフェイ)は、いつ知ってることを打ち明けるのかなと思って見続けました。
事件は結構ハードだったりもして、それからどーなるっ?となったし。
でもさあ、ふと途中からハテナが浮かび出すんだよねえ。
事件の凄惨さとバランスを取ってるの?と初めは思ったりもしたんですが。
あちこち、だーいぶ情緒的感傷的じゃなかった?描き方。
実も蓋もない言い方になるけど、ほら、ここ、思い出して泣くとこ!的な回想イメージシーンが長い。なんだか押し付けがましい。
そりゃ、カワイソだったよ?異動が決まっていた劉(リウ)くんとかさ。
ま、あのシーンも変でしたけどね。なんで手錠を犯人と箱じゃなくて、自分と箱にかけたのか、意味分からなかったし。ただ自分が逃げられなくなるだけじゃんね。それほどあの子はマヌケだったって描写なんでしょか…
若手の殉職はショックで悲しいのは確かだけど、でも彼は羅飛(ルオフェイ)の下で頑張ってたけど未熟だった若い部下ってこと以外に、見ていてさほど思い入れは育たなかったのよね。
羅飛が人と慣れ合わない、必要以上に交流しない人だったから仕方ないんでしょうが、だとしても実はダメな子ほど可愛い的に目をかけてたみたいなのが、ほとんど感じられなかった。ただ真顔で叱ってるだけけで。
異動の決まった劉くんが、それを羅飛に話すと現場から離されてしまうからと内緒にしたまま、一度隊長と飲みたいんです、絶対約束ですよぅって食い下がってたくらいで。しかもあれはただのフラグ。
羅飛のほうからのベクトルが感じられなかったせいで、見ている私にも情緒が育たなかった。
がっつりキャラクターと向き合っている制作陣には、思い入れがあるかもしれないけどねえ。
こういう温度差は、脚本だけの問題じゃない気もします。なのに長い回想シーン見せられるんだから、製作陣が、自分達の作っているストーリーに酔っているみたいに感じました。
彼を退場させるのなら、も少しちょいちょい折り込んどけよーと、変な文句呟いちゃったよ。

催眠術の描き方もちょっと違和感でしたねえ。
陸風平は天才なんでしょうが、彼が術を施すシーンは、催眠術っていうよりエスパーでした。
被験者の言葉で状況を頭の中にリアルに描き出せる能力があるってことだったのかもしれないんだけど、映像では、彼がその被験者が回想する記憶の現場に、傍観者として存在している形。
分かるよ?この手法は普通に他のドラマでも多々見られます。
だけどここでの技術は、療法として使われる学術レベルの催眠術な訳でしょ?一般的な回想シーンとか、証言を基にした推理シーンとはちょっと違うと思うのよ。
被験者の口から何か語り始める場面はほとんどなくて、目を閉じて寝てるみたいな状態だから、術をかけた途端、陸風平が被験者の記憶の中に超能力で潜り込んでるみたいに見えんの。
だから、ほーこれが陸風平の天才的な技術!とはならないんだよなー。しかも何度か失敗もするしさ。
例えばね、被験者が目を閉じて語り始めたのを、傍らにいる陸風平が聞きながら、ふうっと記憶の世界を思い浮かべるように、その映像の中に入っていくみたいなさ。そんな前振りがあれば、この人は被験者の言葉で場面を頭の中に映像で構築できるんだなと、それも才能のひとつだなとは思える。
ただそれが、天才催眠術師としての才能なのかといったら、なんか違うかもとは思うんだけど。そういう特性を持ってるから、催眠術師として、他と一線を画しているって感じね。
感傷シーンも催眠術シーンも、あと少しだけ事前の布石が欲しかった。他に冗長なシーンなんかいっぱいあったのに。
私が見逃してて、そういう解説的シーンあったよ?ってことはないよね?
もし見逃してたら、すいません。
しかもさ、警察ものなのに、んー?ってのもあってねー?
陸風平は犯人検挙に協力したのに、なんだかんだ理由をつけて羅飛は陸風平の知りたいことを先延ばしにします。
業を煮やした陸風平は内緒で羅飛の記憶を読み、彼が母親の死の現場に遭遇し、倒れている母親を置いて走り去ったのを知ります。あの大怪我だったら、すぐに救急車を呼んだとしても助からなかっただろうとは思うけど、羅飛は犯人を追ったのか、ただ母親を見捨てたのか。どちらなのかは分からない。
そこに彼が口を割らない負い目があるのに気付き、だから10年間も真相が解明できないのかと理解した陸風平は、警察に見切りをつけて距離を取り、どう考えても怪しい情報提供者(黒幕)のほうに近付いてく。

そこで情報提供者から提供された死体を使って、廃屋みたいなところを爆発させ、自分の死を偽装するんだけども。
これさあ、2つの犯罪だよね?爆破もかなり重い罪になるはずだし、誰の遺体だか知らないけど、それも日本だと死体損壊罪でしょ?
でも陸風平は何の罪にも問われず、平然と復帰してきます。うーん。うーん。
それなのにっ。それなのにですわ。
黒幕が、羅飛の幼馴染で同僚の梁音(リャンイン)を人質にして爆弾を体に括り付け、羅飛と陸風平をおびき寄せる。ご丁寧に自分の心臓近くに爆弾のスイッチと連動させた機械を埋め込んで。その機械を撃って壊せば、要するに黒幕を射殺すれば、梁音の爆弾のタイマーも止まるらしいんだけどさ。
黒幕は、警察は投降した人物を殺しちゃいけないはずだよねー、ほらほら、ボク投降してるよーと、両手を挙げてるんですが。
人質取って爆弾しかけたままで、それ投降って言うのか?言わんだろ?
なのになんで羅飛は怯んでんだよ。デキル隊長設定なんとちゃうの?大事な幼馴染が死ぬよ?
で、隣にいた陸風平が、羅飛の拳銃を取って黒幕を撃つんですよ。
あのさ、拳銃所持が認められている羅飛が、この状況で犯人を射殺したとしても、警官が人質になっていて殺されそうなんだから、人命救助のための正当な拳銃使用ってことになるんじゃないの?
でも、顧問だとしても一般人の陸風平が撃ったら、そりゃ罪になりますよね?
なのに陸風平は、羅飛が犯罪者になっちゃいけないと、自分が撃つ。
ならねーよ、刑事なんだから、多分。しかも素人が見事に一発で命中だよ。
こういうのは脚本家の勉強不足じゃないの?
てか、そんな脚本上がって来た時点で、スタッフが気付け。原作、どーなってるんだろ。
どこぞで、放映中、余り評判は良くなくて、脚本がめちゃくちゃ叩かれてたってのを見ましたが、さもありなんって感じでしたねえ。
この現場に辿り着くまでの乱闘シーンも、不要だったよねえ。
黒幕は余命僅かで、ここを死に場所と決めてたんでしょうから、別に間に合わなくても、警察のお姉ちゃんと心中もいいかなーだったのかもしれないけどさ。そうなれば明らかに2人は苦しむだろうしね。でも目的は、呼びつけて2人を翻弄することだったんでしょうに、部下配置して邪魔する意味はないよね。
どっちでもいっかーっていうのは、いきあたりばったりと言います。
結局黒幕は、大物感出して偉そうにしてたけど、その程度の人物だったってのは確かなんだけど。
あれ、どうしよう、文句しか出てこない(^m^)
ファンタジーなら、細部なんかはまあまあ、そう目くじら立てなくてもファンタジーだし?で済むんですけどねえ。
黒幕だって、ただのチンピラがなんで数年でそこまでのし上がれたよ?って疑問が残るし、しかも動機は利己的な自己愛からの逆恨みでしかないし。看護師のお姉さんの動機も、はあ?だったよなあ。
やだ、文句が止まらないっ(笑)
ラストのまとめ方にもちょっと言いたいことはあるんだけど、やめとく。←
とりあえずね、日本での紹介はブロマンス風味とされてますが、それはたいして感じられませんでした。ただの手助けおんぶですよね、あのシーン達は。陸風平はちょっと駄々入ってたけど(^m^)
日本の配給会社さんもさあ、いくら流行ってたからって、バディもの全てにブロマンス云々言うの、そろそろやめない?

とはいえ、陸風平は美しかったし、羅飛は凛々しかったのよ。
それだけは確かです。演者さん達に罪はないと思う。
動くこのビジュの2人を眺めるにはオススメかと。
鄭業成、髪長いほうが似合うんではないだろうか。後頭部、結構絶壁だし←コラコラ
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作品情報
- 制作 2023年発表 24話 芒果TV
- 原題 「无眠之境」
- 原作 「邪恶催眠师」周浩晖
- 監督 王涛涛
- 脚本 张箫鹤、乔一峰、虢政杰、李雷、程妤

人物相関図





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