あらすじ
第一話 幼き日の出会い
「家族の名において」公式サイトより
1999年夏。李海潮は妻を亡くし、男手一つで麺の店を切り盛りしながら愛娘の李尖尖を育てていた。そんな父娘の暮らす団地に、派出所に勤務する凌和平の一家が引っ越してくる。尖尖は和平の息子の凌霄を気に入るが、凌霄は無口で、和平とその妻・陳婷の言い争う声が毎日のように団地中に響いていた。そんな中、海潮は賀梅という女性とお見合いをすることに。賀梅は子秋という男の子を女手一つで育てていた。
第二話 新しい家
娘の死に苦悩する陳婷の精神状態は悪化、家事も疎かになっていた。見かねた李海潮は凌霄を食事に招き、凌霄は海潮の料理を食べて李尖尖とも仲よくなっていく。そんな中、賀梅の母が重病で倒れ、子秋を海潮に預けることに。海潮は自分をパパと呼ぶよう優しく子秋を受け入れる。一方、凌霄が妹の写真を手元に残していたことを知った陳婷は凌霄のせいで娘が死んだと罵り…。

ネタバレ感想
公式サイトの全体あらすじに「心解きほぐされ柔らかな気持ちになれるヒーリングドラマ」とあったんですよ。確かに、この変則5人家族の日常をみれば、そうなんです。
だけどそこに絡み付く血縁者のいろいろは、なかなかに厳しい。ちっともヒーリングにならない(笑)
そんな精神的な過酷さの中で、互いに思い合いいたわり合う彼らは、文句なくあったかいけどね。
まず1話2話で、幼少期、どんなふうにして彼らが出会い、家族となったかが描かれます。
子役たちの芸達者ぶりは面白いけど、その裏に横たわるのは、かなり苦しい出来事の残滓。
麺屋を営む李海潮(リーハイチャオ)は、昨年妊娠中の妻を病気で亡くし、娘の李尖尖(リージェンジェン)と団地で2人暮らし。子供好きで優しく面倒見のいい海潮の元で、尖尖は伸び伸び育っていました。
ある日、団地の上の部屋に、派出所勤務の警察官、凌和平(リンハーピン)と妻の陳婷(チェンティン)、息子の凌霄(リンシャオ)が引っ越して来ます。
尖尖より少し年上の凌霄は無表情で無口な子だったけど、尖尖は一目で凌霄のことを気に入っちゃう。
以降、底抜けに明るく空気も読まず打たれ強い尖尖は、ぐいぐい凌霄に纏わりつきます。

この子がまたすごいお上手なのよ。
だけど、凌家には複雑な事情がありました。凌霄の妹が3才の時、事故で亡くなってたんですね。
陳婷がご近所さん達と麻雀をしに行っている間、家で留守番をしていた兄妹。妹は胡桃が好きで、凌霄が時々食べさせていたらしいんだけど、その日は運悪く、胡桃を喉に詰まらせてしまった。ドアには外から鍵がかかっていて、凌霄が叫んでも誰にも気付かれず、助けを呼ぶことも出来ないまま、妹は亡くなってしまった。
娘の死も自分の責任も受け留めることができない陳婷は、家族に当たり、ご近所からの噂にも耐え切れず、引っ越さざるを得なくなってた。口下手な和平も、彼なりに必死に慰めてきたらしいけど、陳婷はどんどん精神を病んでいき、夫婦喧嘩が絶えなくなっていました。
元々賢く明るくよく話す子だったらしい凌霄は、以来心を閉ざし、無口になっちゃった。
目の前で妹が苦しみ亡くなっていくのを、なすすべもなく見守っていた子供の心は、いったいどんなだっただろうと。多くの人はね、そこに思いを馳せると思うんだけど。陳婷は自分が遊びに行っていた間の出来事ってことで、自責の念に堪えられず、息子を責め夫を責め、荒れた。
私にも何が正解かなんて分からないけど、少なくともその心を守り労わるべき凌霄に、罪を押し付けるのはないよ。
凌霄が、母親に隠れて大切に持っていた妹も一緒の家族写真を見つけて、鬼の形相で怒り、写真を破り捨てるって行為の対処はもう、精神科医のお仕事でしょ。素人の手には負えない。
亡くなった娘の大事な写真なんだよ?だけど娘の姿をみると、自分が責められていると感じる訳だからねえ。
だから凌霄は、尖尖にお兄ちゃんと呼ばれたり、お近づきの印にと胡桃を持って来られたりしたのに、強い拒絶を示しました。知らなかったから仕方ないけど、よりにもよって胡桃かよ!だもんな。
だけど尖尖は、そんなことでは何もへこたれない子。
陳婷が団地のゴミ箱に捨てた写真や娘の遺品が入った箱を拾って、写真を繋ぎ合わせてました。
毎日、上の部屋から聞こえてくる夫婦喧嘩の声は凄まじく、ご近所でもすぐに有名になります。家の中にいられない凌霄はいつもひとりで公園や、団地の階段に座って本を読んでいました。陳婷はご飯も作ってくれないから、お腹がすいても我慢していたり、自分でインスタントのラーメンを作っていたり。
そんな凌霄を見かねて、海潮も少しずつ声をかけて誘うように。
それにしても、中国のご近所さんは、ほんっとーにいろんなとこに口を挟んでくるよね。
まあ、日本でも田舎はそういうところあるし、私も子供の頃、田舎のご近所さんに余計なお世話を言われて、ぬー(-”-)となったことは多々ありますが(笑)
人情味と言うには、土足でずかずか踏み込み過ぎる感。中国ドラマを見ていると、これはよく感じます。助けが欲しい時には、親身になってくれる有難い存在でしょうが、精神的にいっぱいいっぱいで放っておいて欲しい時には、結構キツイだろうな。
そんな頃、海潮は近所のおばちゃんに強く見合いを勧められ、断り切れずに賀梅(ハーメイ)と賀子秋(ハーズーチウ)という母子に会います。美容部員をしている賀梅は、離婚後、妊娠が分かり、元夫に頼らずに一人で子秋を産み育てている女性でした。
だけど尖尖は、海潮の再婚に大反対で2人を敵視。戸惑いながらも、子秋は仲良くなりたいみたいだけどね。
でも賀梅親子が来ている時、公園で凌霄がいじめっ子に絡まれていたのを、颯爽と助けに現れたのは、尖尖と子秋でした(笑)3人して取っ組み合い。尖尖は得意の噛みつき攻撃。凌霄も一緒になって戦ってる。
そもそも相手が悪いのでね。怒鳴り込んで来たいじめっ子と親を、海潮が上手にいなすのを微笑んで見ていた賀梅。子秋がケンカするのなんて初めてだったらしい。しかも子秋は、尖尖に巻き込まれたんじゃなく、自らの意思で参戦してた。母子家庭の子秋も、子供心に母親を観察して、迷惑をかけないようにいい子でいたのかもしれません。
そこに、凌霄が来て、海潮に玄関先で無言で消毒液を渡して去ってく。カワイイ。
その晩、陳婷がまた和平に突っかかり夫婦喧嘩が始まって、娘のところへ行くわなんて母の叫びに、胸を痛めながら階段にいた凌霄を、尖尖が無理矢理手を引いて自宅に呼び、ご飯を食べさせました。
尖尖が繋ぎ合わせた写真を受け取った凌霄は、人が死んだら、その人の物を焼き写真も破いて、その人のことを忘れるんだ、なんて悲しいことを言う。
尖尖は、こっそり海潮の部屋に凌霄を連れて行き、海潮が大事に残している母親の写真や遺品などを見せます。
パパは捨てないママを忘れない。でもこれを見てひとりで寂しがってるのを本当は知ってるし、自分も寂しいけど、パパが傷付くからそれを気付かせないと尖尖。寂しくなったらママの絵を描いて、ひとりで寂しがるの。お兄ちゃんもパパとママに内緒で寂しがれるよ。
こんなにちびっこで、こういう理解が出来ているのはすごいわ。凌霄も自分ちとは違う故人への対応に、内心驚いたでしょうよ。妹を思い出して、忍んでもいいんだって、メカラウロコだったでしょうよ。
それから毎日、階段の凌霄を尖尖が呼びに行き、凌霄も少しずつ座ってる場所が階下に近くなってくるっていうね。もう手を引かなくても走って降りて来るっていうね。まー、カワイイ。
そんな時、突然賀梅から連絡があり、母親が重病で戻らなくてはいけないので、お金を貸して欲しい、子秋をその間、預かって欲しいと言われた海潮。
見合い相手だとはいえ、再婚する気もなく付き合ってもいない賀梅だったけど、それを断れる海潮じゃないんだよなー。
1人で子供を産んだことを後悔している、疲れたと言った賀梅に、なら子秋をくれたら僕が育てるよ、なんて軽口は以前叩いてたけどさ。
この時点では、ある意味、賀梅にいいように子供を押し付けられ、騙されて面倒を見る羽目になっちゃった海潮って感じに描かれています。
李家にやって来た子秋だけど、尖尖は塩対応(笑)塩ってより、物理的にもケンカ腰。
子秋のスーツケースを、外の階段から何度も落っことす。その度に、黙ってせっせと取りに戻る子秋が、かわいそカワイイ。
凌霄と尖尖が並んでソファに座り、スイカを食べながらアニメを見ている時も、子秋は床に座ってスイカに手を出せないの。きっと尖尖にやられたんであろう、ほっぺにハンコの痕みたいなのいっぱいつけて。だけど凌霄がスイカ渡してやったりしてね。嬉しそうに笑ってスイカを手にする子秋が、カワイソかわいい。
そのうち、ようやく尖尖も子秋がいる生活に慣れ、遊び相手になるように。
だけど、海潮と一緒に麺を食べてる時、尖尖が菜っ葉を子秋のお椀に入れると、子秋はお肉を尖尖のお椀に入れる。尖尖のお椀は肉ばかり、子秋のお椀は菜っ葉ばかり(笑)見かねて海潮がお肉を子秋に上げたりして。暴君尖尖は変わらないけどね。
李家がそんなほのぼのシーンを演じている頃、上の階の凌家では、凌霄が隠していた写真を陳婷がまた見つけてしまってました。
半狂乱になった陳婷は、必死で写真を守ろうとしている凌霄に、この子が殺したのよと叫んでしまい、和平に殴られます。
暴力はよくない、よくないけど、こんなおかしい女、殴れば黙るならもっと早く…(笑)
と、思っちゃいけないけど、思わず思ったよ。てかホント、医者へ連れてけ。騒いでも暴れても、有無を言わさず入院させなはれ。でないと、凌霄のほうが壊れる。

翌日、纏わりつく尖尖を振り払いながら、急いで学校から帰った凌霄は、そこでスーツケースを持って出て行こうとしている母親に会ってしまいます。
何も言わず、母親を見つめる凌霄。凌霄に声もかけず通り過ぎようとする陳婷。
緊迫する場面だけど、尖尖は空気など読まない(笑)
凌霄がいらなくなった?じゃあ、私が貰う、お兄ちゃんが欲しかったの。と満面の笑みで言い放つ。
振り返らないまま、あげるわと叫んで去っていく陳婷。
涙を浮かべて棒立ちの凌霄の周りを、やったーとはしゃいで回る尖尖の絵が、なかなかに残酷でございました。
これでようやく、凌夫妻は離婚したってことなのね。
凌家の娘の話をご近所の井戸端で聞いた海潮は、和平が仕事の間、凌霄を預かるように。
夜遅く帰って来て、凌霄を迎えに来た和平は、子供達3人が仲良くひとつのベッドで寝ているのを見ます。
だけどさ、ここでも、尖尖と凌霄は並んで寝てるのに、子秋だけ足元に反対向きに寝てるの。んもー、ほんっと、かわいそカワイイ(^m^)

パパ達は、ご飯ついでに2人で晩酌。腹を割って話し合う、おっさん達。
人の慰めは心にナイフのようにザクザク突き刺さる、後悔は人を追い詰めるって海潮の言葉には、納得したなあ。それこそ、ほっといてくれの時期はそうだよね。濃密なご近所関係が役立つのは、少し落ち着いてからなんだけど、こういう土地柄では無理。ものすんごいグイグイ来るんだもん、みんな。
この時代はまだ、一人っ子政策の時期だったんですね。
2人目ができて陳婷は失職し、和平も罰金処分を受け、昇進停止にされたっぽい。
ちょっと検索したら、2014年まで続いてたのね、一人っ子政策。
ならば李家も2人目って。でも自営業だから罰金はなかったのか?
この晩から、和平も月々の費用を払って、李家に毎日晩ご飯を食べに来るようになります。
そして10年後、2009年。
尖尖は高校生になり、入学式の朝。
李家には高3になる子秋もいました。彼が結局残っていた理由は、おいおい。
凌霄を呼べって言われて、子秋、長い竹の棒で天井をトントン叩いてる。
トイレに入ろうとしたら尖尖が陣取っていて、子秋は仕方なく鍵を持って凌家に走り、トイレに飛び込むと、そこにはムッとしてる歯磨き中の凌霄(笑)あちらの団地の洗面所とトイレは、同じスペースに作られてんのね。
トイレットペーパー奪い取ってった凌霄だけど、子秋のお尻、どうしたんだろう(^m^)
その後、仕返しのおかずの取り合いしてたけど(笑)
どうやら、凌霄も子秋も高3のようです。ちびこの時、凌霄のほうがだいぶ大きかったので、月齢は高いと見た。
海潮は、2人の兄ちゃんたちに、中学の頃のように問題ばかり起こさせるなと言ってます。尖尖、あのまーんま、男だらけの中で育った訳ね(^m^)
そこに、妙な気合いを入れた、まあ、そうね、中二病が治らないまんま高校生になっちゃったみたいな尖尖が、制服ではないドクロの黒いTシャツを着て、3人をねめまわしましたとさ。
この子、だーいぶ、勘違いしてる気がするな(笑)
この朝のひと時の描写だけでも、凌霄は真面目で頼りになる長兄、子秋は明るく調子が良くおちゃらけた次兄、そんな2人に守られて育った尖尖は、女の子らしさの欠けた、ちょっと変な娘に育ったってのが分かります(^m^)だけど3人共、海潮仕込みの心根のいい子達だよね、きっと。
そして3話からは高校生編。
あ、そだそだ、凌和平は「風起洛陽」の七娘の叔父、柳襄(りゅうじょう)なんだよぅ。うひゃひゃ、同じ顔だけど別人っ(笑)
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