所感
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本当にね、待って、なんだこりゃ~(^m^)でした、最初。
このドラマは最近時々見かける「短剧」ショートドラマというタイプで、6話完結なんですが、元々は10分程度の18話だったのを3話ずつにまとめたもののよう。
なのでお話の深みや余韻まで表現するのは難しいのかもしれませんが、その分コメディに振り切って、とってもテンポがよく、サラッと見終えて面白かったんですよー。
主役の2人は、司小念と晏無明。なので原題は「念念無明」。
司小念は絲念坊(しねんぼう)という仕立て屋を営んでいるんだけど、実はめっちゃ飲んべで凄腕の暗殺者。ただしターゲットはみんな悪人。盲目の妹、宝児は、お姉ちゃんのために、カワイイ顔してえげつない暗器を作る武器職人。
晏無明は穏やかで優しい仁安堂の町医者だけど、実は朝廷隠密組織、今嵬司(こんかいし)の結構冷酷な指揮官。身近に仕えている文房を、可愛がってはいるけど割と容赦ない(笑)
そんな司小念が、ひょんなことから晏無明と知り合い、てか、妓楼の中を逃げてる途中で晏無明のいた部屋に飛び込んで、追っ手を誤魔化すためにベッドに引きずり込んで抱き着いたっていう知り合い方ですが(笑)、そこからの一目惚れで押しまくった結果、自分の本業を考えて冷たくしてた晏無明も折れたという結婚です。折れたというか、無明も惚れちまったというか。
出会いはお互い任務中だったんだと思いますが、一介の町医者が、妓楼のあんな立派な部屋にいたの、おかしいよね、姐さん。そこを訝しんで引っかかってたら、話は始まらなかったんだけどさ。
司小念役の胡丹丹(フーダンダン)は、「贅婿(ぜいせい)」のピータン姐さんだよね。カッコ良くてカワイイ、芸達者さんです。
晏無明役の杨泽(ヤンゾー)はお初だったのですが、この作品後、主役としてショートドラマに立て続けに出てるみたいですね。「猟罪図鑑」の李晗(リーハン)ちゃんと一緒の現代劇もあるみたいだし。
するんっとしたノーブルなタイプなんだけど、だからこそ、二番手三番手ポジションが多かったみたいだから、これはいい戦略だったのではなかろうかと思う。だってこれで顔と名前、しっかり覚えたもの。
そういえば、杨泽って簡体字は楊澤になるんだけど、この人は簡体字のイメージのほうが似合うよね(^m^)
2人は終始ラブラブです。だけど正体を隠しながらなので、バレたら嫌われるかも、危険に晒すかもという懸念が、コメディにもサスペンスにも繋がっていきます。
結婚式周りのドタバタが面白かったよね。
晏無明の元に、婚礼衣装の箱が手違いで2つ届いてしまう。だけどそのうちの1つは、司小念が切り落として隠してあった悪人の腕入り。大急ぎで取り戻しに行き、こっちは私の下着だと誤魔化して取り戻したところで見つけた、結婚証。だけど中には、晏無明に届いた密書が隠されていて、さて次に慌てるのは晏無明の番。証書を開いてしまった司小念の手を握ってバタンと閉じたり、そのうち床に落ちた密書を踏んで、ひゅるーっと背後に蹴とばしたりしたら、そこにゴキブリ。咄嗟にダンッと雄々しく踏みつけた司小念だけど、我に返って、あ~ん、踏んだら死んじゃった~ん♪怖ぁい♪って抱き着くとか。
そこに、ひょっこり入ってきちゃった文房を見る晏無明の目が怖い。こっち見んな顔(笑)
ほっとひと段落と思ったら、腕の入った箱の蓋が開いていて…っていうね、なにそのピタゴラスイッチ状態、のコミカルシーン(^m^)
結婚式当日も、双方任務が入ってしまい、仕方なく急行する2人。周囲の皆さんは待ちぼうけ。
任務を終えた2人は、まずいまずいと急いで戻り、街の塔の上で慌てて着替えてると、衝立を挟んで着替えてたのは互いの新郎新婦。
みんな帰ってしまった屋敷では、かわいそうに侍女と文房だけがぼーっと残ってて。でもいつの間にどこから戻ってきたのか分からないけど、2人は部屋に戻ってて。
さ、ベッドに座ってーとなった瞬間。
はっ、しまった、腰に剣が。
あ。腕当てをつけたままだ。
で、お互い服が脱ぎにくいからとかナンとか言い合って、隠れて武器だの防具だの令牌だのをバラバラと外しまくり(笑)
ようやくベッドインとなった後も、脱ぎ捨てた上着を床に落としたら、ゴトンッと武器の落ちた音がして、ベッドから手だけが延びて武器だけベッドの下に押し込むとか。
一緒に寝ていても、相手の気配に飛び起きて抑え込もうとするとか、短刀を突き付けちゃうとか。
そうだ、結婚したんだった、隣に妻がいるのに慣れなければとか、夫を殺すところだった、とか(笑)
こういう細かいドタバタが、ちょいちょい面白可愛いんですよ。
ただ、2人はちゃんと愛し合っているので、平穏な幸せを望むようになり、仕事を辞めるべきかと悩むようになります。だから新たに提示された任務を引き受けようとはしなかったにも関わらず、厄介な帝位争いに巻き込まれていくんですね。
太子を守る側と暗殺する側となり、互いに相手を相手と知らず、剣を合わせる羽目に。
てかさー、夫婦ならこんな仮面もヒラヒラの面紗も、何の役にも立たんだろう普通は(笑)
ほぼ互角だった2人は、互いに右肩を刺し合う結果になり、隙を見て司小念は逃げていきます。
だけど2人とも傷の手当てをして貰いながら、負傷したことでお互いに、夫が待ってると、何があっても妻の元に帰ると、改めて強く思ってしまう訳です。
でもこの時、司小念の血を拭った布を、晏無明が自宅で見つけてしまうんだよねえ。
一応は2人共、傷を誤魔化して過ごしますが、司小念が晏無明の腕の寸法を測っている時、あの夜と偶然同じ体勢になってしまい、瞬間、双方共に気付いてしまう。
疑念を確かめに動いた晏無明は、宝児の隠し部屋を見つけてしまいます。中が武器制作工房だったことに、呆然とする晏無明。
そして司小念も晏無明の部屋で、自分があの晩使った暗器を見つけてしまいました。
なんだかんだと行き違いがありつつ、自宅で闘い始める2人。そりゃあ派手な真剣勝負となるんだけど、門の外に締め出された侍女と司小念の裏仕事の連絡係の紅さんは、派手な夫婦ゲンカだなー(笑)
ま、結局は互いを大切に思っていることには違いなく、キスからの大急ぎでベッドに連れてく流れで仲直りなんですけど、このドラマ、キスシーンも、いちいち派手よね?
そしてまた、体中に隠していた防具や武器がベッドからぽいぽいと投げ捨てられて。
そんなに隠してたの?
気にするな、て(笑)
事後、仲良く傷薬を塗ってたりするんだけど、ベッドに入った時はキレイにかかっていた天蓋も、倒れて落ちてましたわよ。激しかったのはケンカだけじゃなかった、と(^m^)
これが5話。ここから、2人が巻き込まれていたものの真相が解明されていくんですが、結局ね、2人のボスがキーパーソン。司小念に夫婦のアドバイスまでしていた連絡係の紅さんも、全部知ってたみたいだよねえ。不思議にいい人だったけど。
文房と宝児のカップルも可愛かった。
文房は父親が晏無明の同僚だったか上司だったかで、本人も今嵬司の一員。だけど晏無明は、文房には危険な任務に就かせたくなくて(てか、ヌケてるから向いてない)、隠密業務の詳細はほぼ話さず、薬を作る仕事くらいしかさせてません。本人はやりたくて仕方ないんだけど。でも宝児の秘密工房を見ても、うわっ、暗殺用!とはならずに、すごっ、なんってカッコイイんだ♪って、すんなり受け入れちゃうというねぇ。やっぱりキミ、どう考えても隠密には向いてないからな?(笑)
と、適度にハラハラも交えつつ、可愛くオモロイがずーっとベースにあって、気楽に楽しめるドラマでした。40分足らずの6回物なので、中だるみもなく、あっという間に見終わるし、オススメですよー。
あ、当然だけど、ハピエンです(笑)
作品情報
- 制作 中国 2022年発表 全18話 日本での配信は6話
- 原題 「念念无明」
- 監督 曾慶傑
- 脚本 趙林
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