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キャプテンが絡んでいることで、羅非の中で小鹿の死が尾を引いていますね。
監察医のベンジャミンも、中枢神経系損傷の再生は不可能、キャプテンには殺せないと言い、心療内科医、霍文斯(フオウェンスー)も、脳の損傷による認知障害が治癒した前例はないと言いますが。
偽の護送車と警察官についての情報もありません。
キャプテンの症状は偽装ではないかとの思いを払拭できず、羅非達は刑務所に向かい、霍先生が診察しますが、結果はシロ。諦めきれない羅非は、許可なしで侵入しようとし、ひと悶着を繰り広げてしまいました。
刑務所での騒ぎを大事にしないために、取引としての別の事件解決のお約束のために、羅非と沙威(サボイ)刑事部長は将棋のようなゲームをしているんですが、盤も見ないで勝つ羅非ねー。部長が弱っち過ぎるのか、羅非が天才過ぎるのか。
そんなところに都合よく?殺人事件が舞い込みます。小曼は担当したいと言いますが、部長は葉(イエ)刑事を指名しました。現場の四馬路(スーマールー)は女性が行くようなところではないというのが理由ですが、ま、小曼にその理由は通用しないっちゃしないですね。
担当は葉刑事のまま、羅非と小曼も飛び出して行きます。
天香ホテルの一室で、顔に傷をつけられた女性の遺体が発見されていました。
まず葉刑事が現場検証をするんですけど、苦笑いしか出てこない。部長、この現状を本当に把握してないんだろか。羅非と小曼に、葉常青(イエチャンチン)の邪魔をするななんて、本気で言ってるかなあ。
金品は何も盗まれてはおらず、被害者が着ていた服は高級素材の特注品ではあるものの、アクセサリー等その他の持ち物は安価で一般的なものでした。何よりも顔につけられた傷に何かメッセージがあるのではと考えた羅非と小曼は、葉刑事とその取り巻きを現場に放って、聞き込みを開始します。
ホテルのフロントの証言や、特徴のある独特の作りだった衣装から、下記の事が分かります。
- 犯行時刻は16時から18時の間であること
- 被害者は仕立て屋、王嘉徳(ワンジアドー)の妻、趙綺夢(チャオチーモン)であること
- 麻雀で度々家を空け、それで稼いでいると言っていた趙綺夢が、麻雀仲間の李夫人の元には通っていなかったこと
- 王嘉徳は激高しやすい性格で酒浸りの上、妻にも暴力を振るい、殺すなどと口走っていたこと
王嘉徳は収監されますが、小曼達にも刃物を向けた王嘉徳は、むしろ犯人ではないと羅非は推測します。葉刑事が王嘉徳を尋問している間、羅非と小曼はベンジャミンの元へ。
遺体からは、微量の毒、ストリキニーネと麝香が検出されました。貧しい娼婦の使う安価な避妊薬で、趙綺夢は夫には内緒で娼婦として稼いでいたようです。花街で育ったベンジャミン、複雑そうな表情でしたね。
仕立て屋の仕事のために電話を引いていた王嘉徳ですが、依頼の電話は近年ほとんど入らず、妻の麻雀仲間の李という人物から、毎週水曜と金曜の14時から15時の間に電話がくるだけだったようです。同じ「李」ですが、娼婦の斡旋業者だったんですね。
早朝、今回は寝ている小曼のベッドサイドに羅非が黙って座ってるー。怖い怖い!どういう表情なんだろう、これ。「無」って感じ?目覚めた小曼見て、ニッと顔作ったけど。
さて、尋問の仕方すら下手っぴな葉刑事、的外れの思い込みで余計な追い詰め方をして、軽率に目の前にぽんっと銃を置くもんだから、進退窮まった王嘉徳に銃を奪われ、殴られ、脱走されてしまいます。どこまでポンコツなんだー。
部長に、二人とも捜査に関わっていいぞと言われた時の一瞬の羅非の顔!おもろ。
斡旋業者の「李」を探す羅非と小曼は、電話局の協力を取り付けます。趙綺夢が殺されていることは発表を止めているため、相手はそれを知らずにかけてくるはずで、小曼が趙綺夢のふりで出ることに。
練習が面白かったですね。麻雀仲間、李夫人の証言「性格が良く美しくて声にも艶があり、声だけで男性を虜にする」を表現しろってのは、小曼にはなかなかハードルが高いよ。
電話中のジェスチャーも大奮闘、お疲れっ
電話の相手、銭戚月(チエンチーユエ)は「あの地獄を乗り越えた」と言ってました。何か昔からの繋がりがある感じですね。
でも、銭戚月の元に向かうもひと足遅く、彼女は趙綺夢と同じように殺されていました。
一瞬映った犯人とおぼしき人物の帽子の下、髪が上げられていました。男物のスーツ姿でしたが、女性です。小曼が後を追いますが、映画館の中に逃げ込まれてしまいます。そこに突然現れる葉刑事。
手下に羅非達を見晴らせ、相手を追い込んだところで出てくるってか。プライドもへったくれもありゃしないなあ。なんとか挽回したいのは分かりますが、羅非達の成果を掠め取ろうっていうのは、自分には解決する能力がないと、がっつり認めてるってことなんだけどなあ。羅非も小曼も、さすがに侮蔑を隠してない気がします。
羅非によって見つかったのは、七姐(チージエ)でした。四馬路(スーマールー)では有名人のようです。
殺された銭戚月達の用心棒だと言う七姐が報酬を貰いに行くと、彼女は既に殺されていたと。
相変わらず葉刑事は七姐が犯人と決めつけますが、そこは羅非。検視結果から犯人は同一人物、致命傷の場所から、犯人の利き手は左手、七姐は左手の指に欠損があり、左手での犯行は無理、よって犯人ではないと断言しました。
映画館を騒がせての誤認逮捕に部長はカンカンです。葉刑事は王嘉徳の居場所を突き止めたらしく、すぐに犯人を見つけると自信満々ですが、それ、盗まれた銃を取り戻すだけの話ですからね。王嘉徳は利き手も違うんですよ。右手で銃構えてたっしょ。あんた、突きつけられてたじゃん。
一方、七姐の証言から、娼婦たちが3人組であることに注目した小曼と羅非。残りの一人、孫折雪(スンチーシュエ)は次の犠牲者か犯人のどちらかだと踏んで、訪ねて行きます。
小学校の教師である夫、鄭松(ジェンソン)との仲も良好で慎ましく暮らし、近所の評判も悪くない孫折雪ですが、趙綺夢と銭戚月が殺されたと聞き、動揺します。この時の羅非、小曼が鄭松に向かって説明している時から、孫折雪から目を離してないんですよねー。
孫折雪は、夫の治療費のために家庭教師をし、生徒の親と連絡を取るという名目で電話を引いて、娼婦として稼いでいたようです。当然夫は何も知りませんから、聞かれるままに羅非達に自分の妻の仕事について説明するのですが、隣でまー居たたまれなさそうな孫折雪。
夫の前ではそれ以上無理と、羅非が助け舟を出し、孫折雪を教会へと連れ出します。
既に涙を流しながら入ってきた孫折雪に羅非は、趙綺夢(チャオチーモン)、銭戚月(チエンチーユエ)、孫折雪(スンチーシュエ)、3人の名前には皆「チー」が入っている、血の繋がりはなくても旧知の仲だなと言います。おお、気づかなかったわっ。
3人は蘇州の養護施設で育った捨て子で、16才の時、斉(チー)という女性に養子に迎えたいと言われて引き取られ、満庭芳(マンティンファン)という妓楼で働かされていたようです。
孫折雪は、斉女将は「傾城」を育てるためと言うのですが、その意味が分からない小曼に、羅非はあっさりと、娼婦のことだと言います。「城」を「傾ける」ほどの美女、遊女のことですよね。孫折雪はフッと笑ったのですが、どういう心境だったんでしょうね。女将の妓楼は派手で煌びやかでしたから、お客は多分お金持ち、当時彼女たちはいわゆる高級娼婦だったのだと思います。「傾城」という言葉はそれなりのプライドだったのかもしれません。でも第三者にとっては、規模や美しさや高級云々に関わらず、ひとくくりに娼婦なんだってことに自嘲の笑いだったのかもしれません。
斉夢(チーモン)、斉月(チーユエ)、斉雪(チーシュエ)と改名させられた彼女たちは、若く美しかったためにすぐ満庭芳の稼ぎ頭になりました。でも斉女将からの待遇は良いとはいえず、怒られ殴られ、病気でも休ませてはもらえなかったようです。耐えきれなくなった彼女達は5年前、遺書を書いて川に身を投げたものの、漁師に助けられて上海に送られました。工場などで身を粉にして働き、それぞれ恋人ができたり、富豪の愛人となったりし、過去と決別するために名前を変えたのですが、趙綺夢の夫は酒と暴力、銭戚月の相手は浮気、孫折雪の夫は病気と、生活のため娼婦の仕事に戻らなくてはならなくなります。夫のいない銭戚月が交渉連絡役となりました。
孫折雪は、私達3人はと言っていますが、映っている女の子達は4人。
顔を傷つけられた遺体の写真を見た孫折雪は明らかに動揺し、彼女だわと言いますが、それは斉女将だと告げました。妓楼にいた海棠(ハイタン)という駆け落ちに失敗した娼婦が、罰として顔を切られたことがあるからと。
借りたハンカチを返そうとした孫折雪の手ごと、羅非はハンカチを握り込みます。
孫折雪も小曼も驚き、小曼は同情して心が動いたんでしょ、みたいなことを言いますが、羅非は利き手と手の状態を確認していただけでした。ただこの時点では同情を感じてもおかしくはないんだけどね。でもね…なんだよね。
羅非の年齢設定はいくつくらいなんでしょうね。10年前にキャプテンが逮捕された時、というか、あの回想シーンを見ると、例えば20代だったとしてもハタチの小鹿よりは上って感じでしたよね。そしたら今30代半ば?それにしちゃ初々しくない?電車の中で寝ちゃって寄りかかってきた小曼の頭戻すとかさー。余裕のある30代なら、ふっと笑って肩貸してやるもんじゃない?あれ?もしかして今や、ベンジャミンのほうがそれ、できそうじゃないです?
てなことを考えているうちに、銃を取り戻して祝杯をあげていた葉刑事一派、せっかく羅非が次のターゲットは孫折雪だと見張りを頼んでいたのに、撤収させたよ。あなたのせいで孫折雪は死にますよ。いやないわー。これだけ失態を繰り返して、降格も減俸も懲罰もナシとかあり得ないわー。
江蘇に着き、満庭芳を訪ねた羅非と小曼は、廃墟と化している店で正気を失っている斉女将に会います。まともに話が聞ける状態ではないため、心療内科医の霍先生に応援を頼みつつ、その間、蘇州の警察で当時の資料をあたる二人。
その頃、孫折雪は警察からだという偽の電話におびき出されていました。
資料から見つけた彼女達の遺書には「4姉妹」と書かれ、更に不自然に切り取られた跡がありました。上海に戻って斉雪に聞こうとした途端、彼女が殺されたとの連絡が入ります。手がかりを見つけたのに当事者全員死亡かと落胆する小曼の前に、霍先生が現れます。
普通は颯爽と正義の味方って感じで現れると思うのですが、「大丈夫だ」って言ってるのに、どうにもラスボス感とか中ボス感を漂わせてるんだよなあ、霍先生。なんでこの人を小曼は信じ切ってるのか分からないくらい、妙な陰を纏った人なんですけどねえ。中の人の演技と、演出、光の当て方とかね、上手いせいかな。
手を組もうという霍先生を振り切った羅非と小曼は、彼女達が自殺を図った渭清川に向かいます。藁人形に重しを付けて川に流し、どこにどう流れ着くか試すと、下流の橋げたに引っかかることが分かりました。例え橋げたから外れてまた流れ出したとしても、体は傷だらけであろうと。
霍先生は満庭芳へ斉女将の様子を見に行きます。怪しさ満点ではありますが、霍先生も専門家ですから、話を合わせながら上手に斉女将の話を引き出しました。
4人のうちの一人、斉雲(チーユン)を身請けしようと李という人物がお金を渡しているが、彼女達の自殺騒動でそのお金は行方不明となっている。
霍先生からの供述報告書を見た途端、犯人の次のターゲットは女将だと満庭芳へ急ぐ羅非。でも今回もひと足遅く、女将は目の前で殺されてしまいますが、その場にいたのは顔に大きな傷のある魚売りの女性。彼女こそが斉雲でした。
そこに至った悲しい出来事は、ぜひドラマでご覧ください。
んー、なんだかなあ、かなり悲惨な話でしたね。そもそもあんな絶望の中にいたのに。
特にたくさん表情を見た孫折雪、あんなに大人しそうな薄幸そうな表情をしてたのに。身請け話時点で嫉妬もあったのかな。だけど結局悪銭身につかず、その上自分達の幸せも崩れてったっていう。
斉雲もねえ…死にたいと言ったのは自分で、それは間違いないし、助かってしまったのも顔の傷も、例えば一人で自殺してたって一緒だったかもしれないんだけど、露ほども疑っていなかった昔からの仲間の裏切りというのは、堪えたでしょうね。復讐心に心を持ってかれちゃったとはいえ、あんな可愛い子がいるのになあ。
それにしても羅非、めっちゃ優しいや。話しながらちびっこを、いい子いい子ナデナデしてたりもして。同情心で事実を有耶無耶にしたり誤魔化したりしても、ロクなことにはならないんだけど、羅非が冷たいと言われる時はだいたいソコですね。けどそれはね、感情と理性を混同してないだけなんだよ。同情してない訳じゃないんだってばってことが、即効バレで良かったね。
ところで、晋商会のお金の行方はいまだ不明。ただ大きな組織が動いている可能性=キャプテンとの繋がりについて、羅非は諦めず調べている様子です。小曼も誰かに見張られていたみたいですね。
オマケの小劇場は、小曼のお見合いっ。
本編中にお見合いと聞いた羅非、反応してましたね。は?くらいのものでしたけど。
と、思ったらっ。
なーぜーいるぅーーーーー!!!
法学部の創立年度、調べてしまったよねー。
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