あらすじ
仙師たちが戦いを繰り広げる中、断崖絶壁から身を投げようとする１人の男がいた。彼の名は魏無羨/魏嬰。手を伸ばし救おうとする藍忘機/藍湛、怒りの剣を降り下ろす江澄。２人の目前で魏無羨は奈落の底へと落ちていった…。16年後、魏無羨は莫家荘の一室で莫玄羽として目覚める。蘭陵金氏宗主の隠し子だった莫玄羽が、自分の命と引き換えに魏無羨に敵討ちを念じて舎身呪をかけたのだった。そんな魏無羨の前に姑蘇藍氏の仙師たちが莫家荘を訪れる。莫家荘では化け物騒動が起きていた。
ドラマ公式サイトより引用
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ネタバレ感想
16年前。
火山の中に作られたような岩だらけの不夜天城で、大きな争いが起きていました。
人々は口々に魏無羨(ウェイウーシェン、魏嬰ウェイイン)をなじります。全ての咎を魏無羨一人に押し付け排斥する一方で、彼の作った陰虎符(インコフ)という法具を欲して奪い合い、欲望のままに切りつけ合う人々。
陰虎符…鬼才、夷陵老祖(いりょうろうそ)=魏無羨の作った、死者を操ることができる法具。使用者を限定しないため、手に入れれば誰でも死者を使役できる。
涙を流し、その様子を絶望の表情で見る魏無羨。
崖の先端に立ち、仰向けに身を投げようとした時、藍忘機(ランワンジー、藍湛ランジャン)が必死でその手をつかみ取ります。そこにやって来たのは江澄(ジャンチョン、江晩吟ジャンワンイン)。剣を振りかざした江澄を見て、魏無羨は目を閉じ、そのまま崖から落ちていきました。
本当に素敵な作品なんですけど、私の友人達、何人かこの１話で、さっくりと挫折しているんです。なので分かりにくい部分はできだけ説明していきたいのですが、できるかな。
16年後。
冒頭のシーンは、ここで講談師が語っていた16年前の不夜天城での出来事でした。
聞いていたのは、姑蘇藍氏(こそらんし)の門弟、藍景儀(ランジンイー)と藍思追(ランスージュイ、藍願ランユエン)。
彼らはまだ若く、16年前の事件と夷陵老祖(いりょうろうそ)と呼ばれていた鬼才、魏無羨のことは、知識として知るのみのよう。
大人しそうな子が思追くん、やんちゃそうな子が景儀くんです。この2人は覚えると吉♪
姑蘇藍氏…五大世家のひとつ。本拠地は、落ち着いた風光明媚な山あいの雲深不知処(うんしんふちしょ)。厳しい掟を持つ清廉潔白な仙門。白いヒラヒラを着て、額に抹額(まっこう)という、真ん中に巻雲紋(けんうんもん)のついた細い鉢巻状のものをつけていれば、ここの関係者。抹額は直系の男子、内弟子のみで、外弟子はつけていない。ちなみに抹額は、自分と両親、配偶者以外に触らせてはならないものとされている。先祖は僧侶。
夷陵老祖の生死を尋ねる景儀に講談師は、あの崖から落ちたのだ、それでも骸は見つからない、今日復活してもおかしくないと言いました。
講談師は、今でいうマスコミ的な、ニュースや事件を語り広める役目。今になって16年前の事件を語り、魏無羨が蘇るかもしれないと言うには、何か訳がありそう。何よりあの背後にいたシルエットの人物ね。意を汲んで言わされた感じ。
その頃、お札だらけ血だらけで荒れた部屋の中で、莫玄羽(モーシュエンユー)と呼ばれた人物が目を覚まします。目覚めた彼に向き合った相手、本物の莫玄羽は、自らの命と引き換えに舎身呪(しゃしんしゅう)という術を使い、復讐のために魏無羨を蘇らせたのでした。
ホントに今日蘇ってたよ(^m^)
舎身呪…この蘇りは原作とドラマとで違いがある箇所で、ドラマの場合は、自らの命と引き換えに、体も魂も元の相手を蘇らせる術。そのせいか魏無羨は、ところどころ記憶が抜け落ちている部分もあるようで、時々そんなシーンも出てくる。
蘇った者は、命を張った者の望みを叶えなければならない。この場合は莫玄羽が恨む相手への復讐。腕についた４本の傷跡が復讐したい人の数。復讐が叶えば傷は消える。
落ちてきた仮面を手にした時、部屋に乱入してきたのは莫玄羽の従兄、莫子淵(モーズーユエン)。めっちゃ頭弱そうなテンプレ←
いきなり蹴り倒して暴言を吐く彼の語った内容から、莫玄羽は蘭陵金氏(らんりょうじんし)の庶子で、数年間蘭陵金氏の金鱗台(きんりんだい)で過ごしたものの、追い返されて莫家に戻り厄介者扱いされている人物だと、魏無羨は知ります。
身支度を整えたところで莫家の使用人、阿童(アートン)に会いますが、仮面をつけないままの顔は莫玄羽ではなく魏無羨のはずなのに、何も言われません。なんで？と思ったんだけど、莫玄羽は金鱗台から戻った時、仮面をつけたり顔に白粉を塗りたくったりしていて「痴れ者」と呼ばれ、どうやら本当の顔など、誰も覚えてはいないみたい。多分ね。
復讐のためにそう仕向けていたんでしょうが、考えたら気の毒な人よ、莫玄羽。
お話とは関係ないんですが、ここで魏無羨が使用人から奪い取った豆、放り投げて口に入れながら歩くんだけど、口には入っていなかったらしいよ。何事もなく演技は続けてるけどねー(^m^)
莫家では、夫人が仙師派遣の依頼をしたらしく、先ほど講談を聞いていた思追や景儀達がやって来ました。姑蘇藍氏はどこの世家よりも、こうして一般からの依頼を受け、邪崇(じゃすい)退治をしている清廉実直な家門です。
そこに乱入したのは、仮面をつけた莫玄羽、魏無羨。痴れ者を装って居座りながら、自分が莫家でどんな扱いをされているかを周囲に喧伝してひとしきり騒ぎ、お酒を失敬して消えていきます。莫夫人達は体裁を気にして余り酷いことが言えないんだけど、息子のほうはやっぱり頭の中身はいまひとつらしく、人前で怒りを隠しません。中国ドラマには、必ずと言っていいほど出てくる脊髄反射バカね(^m^)
藍氏の仙師達は、今晩西院を使って邪崇退治をするので、夜は外に出ず、西院にも近づかないよう伝えるのですが、頭に血が上っていた息子は、それもちゃんと聞いてはいなかったよう。
思追達が準備をしているところにやって来た魏無羨は、また痴れ者を装いながら、藍氏の使っている招陰旗(しょういんき)を確かめます。招陰旗は魏無羨が夷陵老祖と呼ばれていた頃にたくさん作った発明品の１つで、邪崇を集めることのできる道具。16年経っても、彼の作ったグッズは未だ現役ってものも多く、それだけ便利なものを作り出せる天才だったんですよね。
魏無羨の見立てでは、作成者は未熟で5里以内の邪崇程度しか呼び寄せないみたいだけど、ひとまずそれで充分だろうと。
親切で優しい思追が、お祓いをするから部屋に戻って外には出てこないよう注意をしてくれますが、魏無羨は思追の白い藍氏の着物を見て、ちょっと思い出しちゃった。あの白い人を。
招陰旗握り締めて座り込んじゃったよ。仮面の下の目が切なそうでねえ。肖戦、とても綺麗ないい目をしてるんですよねえ。
痴れ者を装って誤魔化しながら、旗を投げ捨てて踏んずけて、ぷんぷんって感じで逃げていく魏無羨ですが、思追は、なんだかちょっと気になるみたいね。ふふっ。←
邪崇退治が始まったのに、やっぱりアホの子ぼっちゃんは、阿童を連れてウロチョロし、あろうことか招陰旗を盗みました。アイツと決着をつけるとか言ってるので、莫玄羽をいじめようとしたんでしょうけど、そんなん持ってたら、アンタんとこに邪崇が寄ってくんでー。祓えないクセしてそんなことしたら、憑りつかれるよぅ。
魏無羨は部屋の中で、笹笛みたいに葉っぱで曲を吹いていました。
屋根の上にいた思追は、その曲に聞き覚えがあるみたい。姑蘇の調べかと聞いても、景儀に聞き覚えはないようです。
藍湛と呟く魏無羨。
不夜天城の崖で、血まみれで腕を掴んでくれた藍忘機。
最後の最後まで、庇ってくれた人。
そこへ莫家の主人が何やら怒りながら、魏無羨を連れに来ました。
仮面を外していたので、藍氏の仙師達に見られたくない魏無羨ですが、どうやらアホ息子が憑りつかれた模様。それを魏無羨のせいだと思ってるみたい。取り乱した莫夫人に殴られそうになった時、莫子淵が吠え、首にひび割れみたいな模様が浮き上がります。
思追と魏無羨が胸と背中にそれぞれ呪符の印を書き、莫子淵は静かになりますが、その胸元から、盗んだ招陰旗を見つけた魏無羨。こりゃ、身から出た錆だろよーと。
でも、気付けば腕の傷が一本消えてます。首の模様は傀儡になった証のようなものなんだけど、傷が消えたということは、多分もうこの息子の、人間としての命はなくなったものってことね。
傀儡…いわゆるキョンシー的なもの。原作では活尸、走尸、凶尸と、その生死や状態で区別がされているが、ドラマ版では全て同じ「傀儡」でひとくくり。模様が浮き出ても白目になっても、霊識に影響を受けているだけで、本当の意味で死んでない人も出て来て違いが分かりにくいが、そこは「そういうもの」で納得するところ。どうやらこの曖昧さも、検閲避けだった様子(あからさまな死者の生き返り等は引っかかるらしい)。ちなみに、ひび割れ模様も赤っぽいものと黒いものがあって、こちらは多分使い分けられている。黒っぽいのは陰虎符(いんこふ)の影響だったはず。
ついでに霊識…要するに魂のこと。魂魄という言葉があるが、これは、魂=霊識、魄=魂の入れ物(肉体)で、肉体が無事なまま霊識だけを失った状態が傀儡という理解で良いかと。
莫夫人は、善意の塊、思追にも役立たず呼ばわり。ほんと、ロクな一家じゃないわ。
それを見て、正論をぶちかます魏無羨。多分それは莫玄羽らしからぬ言動だと思うけど、まあ、どうせこの家族は破滅だしね。
その様子を見ていた莫主人の手が震えていました。ほう、邪崇はそちらに移動した？
今度は阿童達が主人にやられ、ちょっと収集のつかなくなった思追と景儀は、含光君(がんこうくん)を呼ぶことに。
ハンゴンジュン！？って驚いて、藍湛のこと？って聞く魏無羨ですが、思追も景儀もちっとも相手にしてくれません。含光君呼ばなくても、俺が解決できるよ？って頑張るんだけど、完全に無視(笑)
切なそうに呟いていたけど、会いたくはないのね。
一度あんな形で、周囲を敵に回すだけ回して、死んだ身ですからね。
しかも自らの意思ではなく、多分ちょっと不本意ながら、蘇らせられちゃってますからね。
首の黒いひび割れ模様は、陰虎符の痕跡のよう。でも魏無羨が死んだ時、陰虎符は破壊されています。首をひねる魏無羨。
その時、倒れていた阿童が動き出し、今度はこちらが暴れ出しますが、左手に憑いた邪崇が勝手に動いて自らの首を絞めてしまいます。
左手に異変を感じた思追がそれぞれ確かめるのを、お、そこに気付いたとは、コイツ見どころあるな♪的な目で見ている魏無羨。
これは莫家の主じゃないし、あいつも阿童じゃないと魏無羨は言います。
憑りつかれた全員左利きではないのに、左手で攻撃していたから。
これも分かり難い台詞でしたねえ。体は本人のもの。でも憑り殺されて魂はなくなっているから傀儡という別人、って意味なんでしょうが。こういうの、多いんだよな、このドラマ。
思追が全員の左手を確かめている間に、邪崇は失神していた莫夫人に憑りつきました。
相変わらず痴れ者のフリをしながら、冷静に状況を見ている魏無羨。相手はかなり強い邪崇だと見て、捕らえられている莫家の主と息子の陣を破り、仕事だぞって言って解き放ちます。
なんちゅーかね、性格の悪さと我が身可愛さで、莫玄羽を苛め抜いていた莫家の3人が、意識はもうないとはいえ、家族で戦う光景は皮肉なものですな。
その頃、景儀の打った信号弾を見ている人物がいました。
美しい剣と琴を手に、彼も現場に向かいます。
邪崇の手が景儀を捕えようとした時、琴の音が。
気配を感じて、いち早く隠れたのは魏無羨。さすがだ、すぐに分かるんだ(^m^)
屋根の向こうから、白い鶴みたいにすうっと出て来たのは含光君、藍忘機。
藍湛の登場の仕方はこのポーズが多いのですが、ネットで足のある折り鶴の写真を見た時に、余りにも似ていて噴き出してしまいましたよ。そっくりなんだもん(^m^)それにしても、含光君という呼び名もすごいよね。光源氏かぃっていう。
藍家師弟達の嬉しそうな顔ったら。慕われてるんだねえ、藍湛。なんか、良かったなあ…
咄嗟に隠れた魏無羨も、懐かしさのこもったいい顔で見ているんだけど、相変わらず白装束だなーなんて、憎まれ口も忘れない。中国で白は喪の色ですよね。白装束=喪服、みたいな。
藍忘機の琴の音で鎮まった傀儡家族の前に落ちたのは、一本の剣でした。
一品霊器に宿った霊識だ。
分かりませんね、全然分かりません。いいんですよ。これも「そういうこと」で。
品(ほん)…中国の位階を表す言葉で、日本でもそれに倣っていたことがある。一品(いっぽん)は最上級位のこと。世田谷に九品仏なんて地名もありますが、これは仏教用語のほうからかな。
素晴らしい品物に宿った魂、でもそんな最高級品にこれほどの怨念がつくなんてって、景儀くん。
藍忘機が剣をなぞって何やら確かめると、剣からは黒いもやが。陰虎符の痕跡でした。
ここでも16年前に破壊された陰虎符がなぜ？となります。でも本人ではないので、じゃあ、夷陵老祖が生きている！？という発想になりますよね。生きていてまた作ったのか使ったのかっていう。
確かに生き返ってはいるけど、本人には全く覚えのないコトなんだがなー。
ただ、思追と景儀の表情からは、敬愛する含光君と仲良しだった夷陵老祖に対する感情が悪いものではないことが分かります。ぱっと顔が輝くんですよ。夷陵老祖への評価も、16年経って多少変わったのかも。招陰旗も使ってるしね。講談師はおどろおどろしい感じで話してましたけど。
多分本人は、ほとんど詳細は語ってないんでしょうが、夷陵老祖を最後まで信じて守ろうとした生き証人藍湛が、彼らの尊敬する師叔なんですもんね。
と考えられるこの若者２人の表情に、あたくし、じぃんとしてしまいまして。ころっとこの若い２人が大好きになりましたよ(^m^)
じいっと剣を見つめる藍忘機。そっと姿を隠したはずの魏無羨が、バタバタと音を立てて逃げていくのに気付き、急いで飛びますが、既に魏無羨はいなくなっていました。
魏嬰、おまえなのかって、藍忘機の内心。
藍湛、台詞がとても少ない人なんですが「魏嬰」って名前だけは何度も何度も呟くんですよ。なのでそのうち「うぇいいん」ってのが藍湛の鳴き声みたいに聞こえてくるのよ(^m^)うぇいいんとだけ鳴く白い鶴←
翌朝。扉を開けた講談師に金を投げて去って行く人物。
これが最初に、講談師の背後にいたシルエットの人ね。やっぱり講談師に頼んで、夷陵老祖の話を広めてたのよ。この人の衣装の特徴を、ちょいと覚えておくといいかもですよ。
その時、向こうの通りをロバを連れて歩いて行く魏無羨がいました。
腕の傷は残り１本となっています。
どこにいるかも分からない最後の仇を探して、魏無羨は町を出ていきました。
エンデイングのテーマ曲「無羈(ウージー)」は、主役の２人、肖戦(シャオジャン)と王一博(ワンイーボー)が歌っています。日本では「忘羨(ワンシェン)」のタイトルで、ドラマ内でもこの名前はキーワードになってます。
ドラマの声は吹き替えですが、歌声は当人達のもの。二人共お上手なので、ぜひ全部聞いて欲しーい。
と、書いて動画を埋め込んでいたのですが、2023.8.4現在、2人の歌う台詞入りの公式の動画は「MarkScan Enforcementから著作権の申し立てがあったため削除されました」となっています。？公式なんだけどな？
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