「惜花芷」で胡一天(フーイーティエン)を見て、ちょっとしたハテナが沸き上がったので、以前途中でリタイヤしてしまっていたのを、改めて見返してみました。
うん、面白くない訳じゃないんだよなあ。ただ、メインのキャラクターに、いまひとつ好感が持てないんだよなあ。前回もそれで中断して、他のドラマを見始めてしまったんでした、確か。
サブタイもね、ま、どうでもいいかな(笑)なんちゅーか、この2人がくっつこうが迷宮入りしようが、さほど興味が持てなかったよ。今回も。
ただ、上手いこと言ったった♪みたいな匂いがするサブタイですねってことで。
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所感 ネタバレです
数学と医学を修めてケンブリッジを卒業し、上海のサスーン銀行に勤めていた路垚(ルーヤオ)。
めちゃくちゃに頭が良く、洞察力も分析力も優れてるんだけど、傲慢で利己的で子供っぽくて、金目のものには目がなく、事件現場にあるものを平気でくすねようとしちゃったりする、人間的にはかなりのポンコツ。
出自が明らかになる前から、どう見てもエエトコのボンでしょう感は醸し出してるんですけどね。
翻訳文では皇族となってたかと思いますが、旗人という清朝時代の支配階級の子孫で、この人も特権階級意識ガチガチの家族の中で育ってた。留学はさせて貰ったものの、その後、個人の自由を認めてくれない支配的な実家からは距離を置き、生活に困っても頼ろうとはしません。路家、軍閥寄りみたいな感じでしたね。ということは、いずれ腐敗と共に破滅していく家なんだろなあ。
弟を家に連れ戻すために、誘拐しようとしてみたり、象用の麻酔弾で狙わせて、当人死にかけたり、まあ、普通じゃない苛烈な姉だったな。
そんな路垚が、最初の事件の容疑者として、巡査部長の喬楚生(チアオチューション)に捕えられ、事情聴取を受けることになってしまいます。まあ、当然犯人ではないんだけど。
でもその時の会話から、喬楚生は路垚の類まれなる観察眼や知識、推理力に気付き、上手いこと持っていって協力を要請することに成功。
ただ、そこにいたタブロイド紙の記者、白幼寧(バイヨウニン)に記事にされてしまったことで、路垚は銀行をクビになり、そのまま喬楚生の捜査協力者、一応顧問ってことで、報酬を貰うことになります。
銀行から私物持って出て行く時、元同僚のみんなが大喜びしてたのが(笑)仕事はできても、人柄には難ありで、相当嫌われていたとみえる。あちらの方々の感情表現のアカラサマさは見慣れたとはいえ、さすがに可哀そうに思えたわよ。当人、慣れてるっぽかったけど(^m^)

民国時代の上海、租界が、独特だったのは分かるんだけど。
警察の取り調べ室に記者が平気で出入りしてるとか、ヤクザの子分が組織と密に繋がったまま警察の巡査部長になってるとか、そういう時代だったの?それとも創作物だから?とは感じてしまう。
「紳士探偵L」や「ミステリー IN 上海」も、上海の租界警察モノで、ゆるゆるのところはあったけど、これが一番緩いんじゃないかなあ。事情聴取の取調室に部外者が平気で入ってくる辺り。「ミステリー IN 上海」でもそうでしたっけ?
ただ、白幼寧の越権行為を喬楚生が毎度咎めないのは、白幼寧は喬楚生のボス、白親分の娘だから。
喬楚生は、日本でいうところの若頭的な存在で、白親分の腹心の部下。白親分が動きやすいように、警察に入れられてる訳です。とは言っても、昔はやんちゃもしてたけど、警察官となった今では、ちゃんと法に従って仕事してはいます。頻繁に親分の意向を窺いに行き、親分の不利になるなら、これ以上の捜査はしないなんて台詞もあるけど。そしてそれは割と周知の事実だったりもする。

白親分は、当然それなりにいろいろやってるけど、唯一、麻薬には手を出さないって信条を持っていて、仁義的な部分も結構きっちりとしてる人。
民国時代のドラマでは、こういったヤクザ的組織「幇」が江湖と呼ばれてたみたいで、それは「追風者」でも出て来てましたね。あちらでのっけ若来(ルオライ)をビビらせつつ、なんだかんだ力になってくれた良(リャン)さん@何涌生(ホーヨンション)が、こちらでも黄親分で出てました。あ「紳士探偵L」でもサボイ部長だったね。
白幼寧は、特殊な自身の環境を厭い、父親の愛人問題に反発して家を飛び出し、タブロイド紙の記者として仕事をしています。意欲と度胸は人一倍あっても、文章はいまひとつ上手くないらしい(笑)
幼い頃から、環境のせいで友達も出来なかったと嘆いてたけど、本人の性格も相当なものです。ワガママでちゃっかりしていて押しつけがましく、気に入らないとすぐに拗ねる暴れる手を出す…
真っ直ぐで根は悪い子じゃないってのは、重々分かる仕様にはなっていますが。
で、自分の書いた記事のせいで、銀行をクビになってしまった路垚のところに、仕事無くしてお金に困ってるでょー?と、押しかけルームシェア。だいぶ図々しい。路垚も背に腹は代えられなかったとは言っても、自分をクビに追いやったゴシップ紛いの記事書いた人物が、無理矢理押しかけて来て居座るって、そりゃあ、コイツ嫌いだと思うの当たり前じゃない?
ただ、そういうキャラクターの鼻持ちならない感じがこの程度で収まったのは、中の人が肖燕(シアオイエン)だったからかもなとは思いました。すごく美人って訳でもない親しみやすいビジュアルで、そうキャピキャピもしてなかったし。この人は、レオローと白鹿(バイルー)の「オオカミ君王とひつじ女王」にも出てるんだね。このドラマも、途中まで見て、保留にしちゃってるな。
喬楚生は、そんな白幼寧のお目付け役みたいなものでもありました。
白親分は娘を溺愛していて、自由にさせつつ、喬楚生に面倒を見させて報告させてる。父親を嫌う白幼寧も、そんなことは重々承知で、スクープネタを喬楚生にオネダリして仕事してる。彼女が努力してないってことはないし、必死で頑張ってるのも描かれてはいます。勉強もしてるし、捜査の際も先回りして情報を集めていたりする。でもこの人が記者として次々と新しい記事を発表できるのは、喬楚生の、ひいては父親のお陰な訳だよねえ。カッコつけてないで、使える物は何でも使うってのも、よっく分かるけど。
親分のワガママ娘を、喬楚生は仕方ねーなーって感じで見守っている。元々面倒見のいい、マメな人なんでしょうね。その、仕方ねーなーが2人になったところでって感じ。一緒に住むなら逆にこっちは楽、くらいなモンかな。
ただ路垚は、物理でのオネダリが半端ない。喬楚生自身には、さほどの洞察力はないんだよね。裏世界のことには詳しいし、コミュニケーション能力には秀でてるけど、推理に関しては人並み。だから路垚の頭脳をあてにしてるって弱みがあるとは言え、高級時計だの万年筆だの、どんどん取られてっちゃうんだけど、一時苦い顔はしても、たいした打撃も受けてない感じ。
結局全員が持ちつ持たれつには違いなく、毎度、こういう状態で捜査していくことになります。

喬楚生役の張雲龍(チャンユンロン)がね、まー似合ってたわ。
ちょっと昔風イケメンって雰囲気の人だから、警察の制服がよく似合う。
この人は多分、着流しにサラシにドスみたいな、日本の古風なヤクザをやらせても、めちゃくちゃ似合うでしょうねえ。容易に想像できると思いません?(^m^)
喬楚生は、すごくモテるらしくて、女性には不自由してないんだけど、ちょっと本気になった相手には利用されてたっていう、ちょっと可哀そうな展開にもなりますが。
本気の相手に見せる笑顔は、ちょいとニヤけてたよね(笑)本気じゃない相手には、そんなふうに見えなかったのに。不思議な人だな。
で、多分、見た方々はきっと思ったであろう、うん、どう見せたいの?っていう匂わせがたくさん盛り込まれてたんだよなあ。丁度この頃、流行ってたんだっけ?ブロマンス風味。

うーん、いらなかったかも(^m^)
胡一天はですね、「惜花芷」みたいに、ずっと同じ顔って印象はなかった(^m^)
あちらのキャラクターが合わなかったんじゃなかろうか。黙っていても鋭さが垣間見えるタイプじゃない気がするから。古装より現代劇のビジュアルのほうが合うのかもね。
特殊な環境で育った路垚の歪みとか、実家やお姉ちゃんの横暴さを嫌っていても逆らえない、その辺りの複雑さみたいなのも、そうね、うん、物足りなさは無きにしも非ずでしたが、そんな尺もなかった気もするし。
いずれ機会があれば評判のいい「絶代双驕 〜マーベラス・ツインズ〜」も見てみるかな。ネトフリかー。
事件は、ベースに租界のイギリス人と白親分たちのような中国人「幇」との権力争いがあって、だいたいそのイギリス人が黒幕。1~2話で割とさくさく解決していきます。
数えてないけど、36話で、かなりたくさんの事件が勃発してたなあ。なので、細かいトリック等々は、ん?それでできるん?みたいなのもきっと多かったと思うんだけど、まあまあまあ。

民国時代のドラマのセットはみんな素敵。
白親分は路垚のことを早々に婿呼びしていたし(笑)ヤクザの娘となんか家柄が違うって大反対していた苛烈な路垚のお姉ちゃんも、割とあっさり白幼寧の良さを認めてくれちゃったりして。
最後は天邪鬼な路垚が観念?すればいいだけになって、式当日もトラブルに見舞われたものの、まあまあ無事に2人は結婚。
花嫁衣裳のベール、彼女にはあんまり似合ってなかったよね。ちょっとカワイソだった。
それに、花嫁を待つ間にも、喬楚生と路垚がしみじみ語り合うシーンなんかもたっぷり入ってて、んー、やっぱりなんっかおかしい作りでしたね。
弟分のように可愛がっている、兄貴分のように慕っていると言うには、路垚が天邪鬼過ぎたしなー。
でも、2人が結婚していなくなっちゃったら、喬楚生、ひとりで大丈夫?
と思ったら早速、今度はフランス租界で事件が起きてましたわよ。管轄外だけど、親分経由でヘルプが回って来たとかで。思わず、路垚たちは発ったぞ?って言っちゃってるっていう(笑)
一方、パリに向かう船上で、新婚旅行だってのに別に楽しくもなさそうな顔で海を眺めていた路垚が、緊急電報を受け取った途端ニヤリと笑って、電報を紙飛行機にして飛ばしてたけど。この人、途中の経由地で降りて、戻って来ちゃうんじゃない?(^m^)
それで次はどーくる?と事件を追いながら、楽しめるドラマでした。
ただ、私、ものすんごく寝落ちはしました…コレなんだよ、以前続かなかったのも。
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作品情報
- 制作 2020年発表 全36話 爱奇艺
- 原題 「民国奇探」
- 監督 张伟克
- 脚本 宝盖丁、钟艺
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