以前、天然石のネットショップを運営していたもので、中国の玉については興味がありまして。
これを見て、改めてなるほどなーと思った次第。
中国の玉の、あの彫りや彫刻は、連綿と続いて来た文化、伝統工芸なんだねえ。
ドラマでも、玉佩、腰佩、いっぱい出てきますもんね。だいたい軟玉ネフライト、特に和田玉とかの、中国で古くから貴重とされている、滑らかでとろんとした質感の石で、それをお金代わり、財産代わりに使うシーンも多いですよね。
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所感 ネタバレです
女主は、親を亡くしてお姉ちゃんと2人で育ち、お姉ちゃんが蘇玉軒に就職した後は、仕事を掛け持ちし、機転を利かせて逞しく生きながら、玉を鑑別する職人、荐玉師(せんぎょくし)を目指している単単単(ぜんたんたん)。

中の人、徐璐(シュールー)は、他の写真等ではそうでもないんだけど、このドラマの化粧は、小林真央に似てたなあ。テンション高く、くるくると表情を変える芸達者ぶりでした。
男主は、老舗、綺裴閣の一人息子で才能がありながら、トラウマを抱えてしまっていて家業には関わらず、放蕩息子となっていた裴沛(はいはい)。

畢雯珺(ビーウェンジュン)は「想いの温度差」しか見てないんですが(精神年齢5才のドラマはリタイヤ)、あっちもこっちも子供っぽく嫉妬深かったわね。
この人、こうやって見るとかなり頬骨が目立つ、男っぽい顔なんだけど、女装シーンあります。しかも2度(笑)
この2人の愛と成長の物語、ですね。
それにしても、名前よっ(笑)「dāndāndān」と「péipèi」
でも単単は「shàn dāndān」らしいので、日本語でも「ぜんたんたん」にしてありました。
単単はまず、お姉ちゃん、単双双(ぜんそうそう)が意匠師として働いている蘇玉軒で雇ってもらおうとしますが、当主の蘇珏(そかく)は、何の実績も経験もない単単を相手にしてはくれませんでした。
この蘇珏ってのがだね、単双双に一目惚れしちゃってて、あからさまな態度を取ってる人。最初から、妙に気持ち悪かったんですが、ラスト直前までは、変に気持ち悪いままでした(大笑)
ずっとくっついてた大人がロクでもなかったので、同情の余地もあるっちゃーあるけど、コンプレックスで逆噴射して人を陥れ、命まで狙うとなれば、同情の余地云々なんて気持ちは吹っ飛びますわ。まあ、改心しようにも、にっちもさっちもいかなくなっちゃってたんでしょうが。
だけどお姉ちゃんは、父親の復讐のために蘇玉軒に入り込んでたんですね。
その上、表向き、楚々としたお嬢さんで通しているけど、そこら辺の誰よりも武芸の腕が立つ。妹に内緒でどう鍛えてきたんだろうってのが、最初、すんごい疑問だったの。
18年前、物語の根幹に関わる事件があった時、既に10才前後に見えたお姉ちゃんは、その時亡くなってしまった父親にずっと鍛えられてたって台詞が終盤あって、納得したわ(^m^)
このお姉ちゃんがねえ、どっかで見たことあるなあと思っていたんですが、「鎮魂」の汪徴(ワンジェン) でしたよー、エナジー体の子ね。

肝が据わっていて商売の才能があり、玉器に関わりたいって気持ちが人一倍強い単単を、物陰から見ていたのは、裴沛の母、綺裴閣当主の裴夫人。
裴沛の妓楼遊びをチェックしに来てたのが、あっさりと息子をやり込めた単単を気に入ってしまいます。裴夫人は、単単の商才と機転と雑草魂が、御曹司で育ちながら、トラウマのせいでやる気のない息子にいい影響を与えるんじゃないかと、単単を裴沛の侍女兼、見習い荐玉師として雇うことにします。
裴夫人は、息子の事情が事情だけに、黙って見守りつつ店を守って来たけど、そろそろ自分の年齢も考えれば、跡継ぎに奮起して貰いたいと思ってる。まあ、当たり前だよね。
ただ、裴沛は最初、調べもしないままで単単を、ライバル店、蘇玉軒のスパイだと思い込むんだな。コイツがかなーり、しつこくてめんどくさいんだな。裴夫人は単単の一生懸命さも賢さも、かなり早いうちに見極めて、手放しで認めて可愛がってくれているのに。
めんどくさいと言えば、先にも書いたけど裴沛、単単と想いが通じるようになったら、今度はいちいちガキっぽい嫉妬ばかりして、これもまためんどくさかったなあ。それを、かっわい~♪くらいに思ってる単単のほうが年上?と思うくらい。あの事件当時、単単は赤ん坊、裴沛は少年だったはずなのにな。
2人だけの時なら、スネてもなんでも好きにすりゃーいいけど、仕事なんだから人前では大人になってよ、話が進まないでしょーが、未熟者めっ!と思ってしまうタイプです、ワタシ(笑)
それにしても、こういう面倒も大らかに受け流し、拗らせない単単の性格は良かったよねえ。

姉さん女房にしか見えん。
単単の機転で店の売り上げが上向くと、すかさず蘇玉軒が卑怯な手で邪魔をしてきます。何度も何度も。
どこにも負けない大店としてのプライドがあるなら、そんななりふり構わない手を使うかよ。
当主の蘇珏は、威張り散らしている割には、実は彫刻師としての実力はたいしたことなくて、どう頑張っても裴沛の才能には勝てないのよね。大番頭で叔父の汪咎(おうきゅう)は、そもそも昔から店のために手を汚しまくってきている人だし。
蘇玉軒には、そんな矜持は元からない訳だ。
謀られてはやり返しっていう、綺裴閣と蘇玉軒のシーソーゲームの中で、目標を見失わず、諦めずに前に進んでいく単単と、それに引っ張られる形で立ち上がる裴沛。誰にも打ち明けられない復讐を胸に、孤軍奮闘する双双。双双への気持ちは本物だったけど、そもそも卑怯な計略や盗作でのし上がった砂上の楼閣にいた上、自身の実力不足は如何ともし難く、卑劣な道を突き進むしかなかった蘇珏。
そんなみなさんの悲喜交々。

基本ラブコメなので、ところどころクスリ(^m^)はちゃんと入ります。
兄さん、その葉っぱはなんだい?
蘇玉軒に入り込み、父親が陥れられた証拠を探していた単双双は、ここには証拠がないと見切り、なら綺裴閣の謀りかと、蘇玉軒を出て単単のいる綺裴閣へ。蘇玉軒の隠し部屋があることまでは突き止めてるのに、イマヒトツ、踏み込みが足りなかったね。
ただ、この人も半分蘇珏に絆されてしまっていたので、切り捨てて移転したとはいえ、ちょいと目は曇っています。綺裴閣で過ごせば、侍衛も侍女も家族同様な裴家が、そういうあくどいことをする家ではないことくらい、気付くだろうに。裴夫人の優しさと包容力には、胸を打たれてましたが、死んだとされている前当主の所業までは、まあ、分からないっちゃー分からない。
実は昔、裴家は、輝月鳳冠という当時の各家の技術の粋を集めて作った宝冠を作り、献上しようとしてた。でも、そこについている琥珀の中の水で、病気の妻は治ると黒幕に騙された単双双の父親が、鳳冠を盗もうと襲撃した。当然、そんな話は嘘ですわな。父親は義賊だったらしいけど、隠棲していたのに、妻の病を治したい一心で騙されてしまった。
そして単双双の父親は口封じに殺され、鳳冠は黒幕に盗まれてしまった。
その時の鳳冠の護衛の娘が単単。なぜそんな危ないところに赤ん坊を連れて来てたのか知らないけど、護衛から娘を託された双双の父親は、自分の愚かさを悔い、単単を双双に預けて絶命。単単はだいぶ後まで、自分の出自を知りません。
父親には、復讐しようとは考えるなと言われたけど、双双はまず黒幕は蘇玉軒かと考えた。証拠が見つからないので、次に綺裴閣の自作自演かと考えた。
でもさあ、よぉく考えてみ。自分達が作った鳳冠の技術を、鳳冠を盗むことで独り占めしようとするなんて、ものすんごく不自然な話よ?自分達なら、また同じ物を作れるのに、なんでそんな危険を冒して盗むかね。ふっつーにライバルの仕業でしょうが。当時自作自演の噂も出回ったらしいけど、そんなもん黒幕がちょっと噂をばら撒けばいいだけじゃん。最初の推測は良かったのに、やっぱりお姉ちゃん、しっかりしているようで、相当目が曇っちゃってたよなあ。
でもお陰で、蘇玉軒を離れて綺裴閣に来てくれた訳ですが。
強奪事件後、脅されていた裴沛の父親は、才能ある息子が闘玉大会で頭角を現してしまい、また綺裴閣や息子が巻き込まれるのを恐れて、大会の出場をキャンセルした上、人に襲わせて裴沛の右手を潰してたんですわ。ベッドに横たわる少年裴沛を見て取り乱しもせず、穏やかに家業を続けていられるだけでいいと呟いた夫を見て、裴夫人はこりゃ、夫だと気付いた顔してたねえ。だから裴沛もそのうち父親の仕業だと分かってしまったのでしょう。
いやはや、陰謀の恐ろしさに心底恐怖を抱いてしまったからとはいえ、それはないわ。息子がトラウマ抱えるのは当たり前でしょうよ。
黒幕は蘇玉軒の大番頭、汪咎と蘇珏の父親なんですけどね。綺裴閣に輝月鳳冠なんて献上されてしまったら、蘇玉軒の劣勢は目に見えているからってことかな?
蘇珏は、父親が亡くなり当主になっても何も知らされてなかった。隠し部屋に意匠図はあっても実物がないので、汪咎にどんなにおだて上げられても、蘇珏の知識と実力ではそれを再現することは不可能。盗んだ実物は隠し部屋の更に奥に、隠してあったんだけどね。汪咎は、それを打ち明ける機を窺っていた模様。
ただ裴沛ならば、父親から技術を習得していたので、ある程度、ひとりで作れる腕は持っていました。鳳冠のことはまだ誰も知らないものの。
でも右手が使えない。
闘玉大会で優勝すれば、その名声だけで店はしばらく安泰だと知った単単は、自力で出場しようと奮闘しますが、まあそう簡単な話じゃない。裴沛ともだいぶ打ち解け、過去のトラウマを打ち明けて貰ったことで、単単は裴沛のお尻を叩いて、左手の訓練をさせ始めます。
数か月で、あっという間に裴沛の技術復活。ま、そこはドラマだ。
そして、長年研鑽してきたと自負していた自分が、左手訓練たかだか数か月の裴沛には全く及ばないと気付き、愕然とする蘇珏。
才能の差って残酷よね。でも不平等は世の常。その中でどう生きるかが大切なのよ。これって時代も国もなんも関係なく、みんな同じこと。
とことんクズな侍女の翠柳だの、譚絵師の双子問題だの、斯家の兄弟問題だの、降りかかってくる様々を乗り越えていく2人だけど、大奥様の死は余りにも突然でした。ちょっとびっくりした。
とても大きな包容力で2人を見守ってくれていた心の支えをなくして、憔悴する2人に、誤解しまくったままのお姉ちゃんが剣を向け、裴沛を庇う単単に本当の妹じゃないと告げる。
だけど、父親の遺言で自分が責任をもって育ててきた単単を傷つけてしまったことで、単単からも諭されたことで、双双は両家から離れ、隠れ住むようになったんだけど。
双双を思って粽を持って訪ねようとした裴沛の護衛の阿六が、蘇玉軒の手の者に襲われてしまい、双双の蘇珏への恨みが膨れ上がります。どう考えたって卑劣なのは蘇玉軒のほうだと、やっと気付いた。
黒装束で蘇玉軒に正面から乗り込んだ双双は、ようやく隠し部屋のまた奥の地下牢に気付き、そこに死んだとされていた裴沛の父親が長年幽閉されていたのを見つけます。
いや、ちょっと待って、何年間?だいたい単単の年齢に近い年月だぞ?こわっ。
そこからは気持ちのいいどんでん返しで、蘇玉軒を滅ぼしていきます。
城主からさあ、新たに輝月鳳冠を作れと両家が命じられても、全く作れない蘇珏は、単単を攫って裴沛の作った輝月鳳冠を奪い取るなんてぇことまでしてくれたけど、綺裴閣はもう1種類作ってたんだよねえ。より芸術的価値の高い、現代版輝月鳳冠を。
負けを認めた蘇珏は、最後の最後にお姉ちゃんに全てを白状し、毒酒を煽って自害。
でもこの人、お姉ちゃんが綺裴閣のために工具を奪おうとして蘇玉軒に戻っていたことも、自分が虐げてきた護衛の阿玉に裏切られたことも知っていました。それでも双双への思いは消えなかったってのは、まあー、そうだね、純愛といえば純愛か。お姉ちゃんのほうも、卑怯者と知っても、想いは消せなかったみたいだし。だけど、この結末は仕方ないわな。
城主から、玉器で名を馳せている街の玉器管理者の立場と扁額を貰った綺裴閣は完全復活を遂げ、向かいにはお姉ちゃんも自分のアクセサリー店を持つことになりました。
メデタシ、メデタシ。
またかよー、うわ、またかよーって展開だけど、毎度諦めずに立ち向かっていく単単が小気味いいドラマでした。お姉ちゃんの存在も必須だったね。
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作品情報
- 制作 2024年発表 全24話 腾讯视频
- 原題 「珠玉在側」
- 監督 杨明远
- 脚本 一淼、吴盛宜、杨帆、林曼
人物相関図

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