ようやく完成しました。でも、ネタバレ書き込み過ぎたかもです。
この手のドラマは、登場人物や組織を整理して一度目を通しておくと、ストーリーが追い易い。ということで、もしどなたかのお役に立てるのならばと思い、ここに置いておこうと思います。
「山河令」であれだけやっちまいましたが、こういう作業が、メンドクサイのにけっこう好き(笑)
こちらは登場順ではなく、組織別です。
まずお国は北離。
200年以上続く王朝で、現明徳帝の時代、強大な国力を誇っているって設定ですよ。
天啓城
皇宮のある城。天下四城のひとつ、北の天啓。
皇帝 明徳帝、蕭若瑾

一筋縄ではいかない狸オヤジ。心臓の病を患い、余命いくばくもない。
4年前、弟、琅琊王の謀反話が勃発し、断罪。その時、琅琊王を庇った息子の永安王、蕭楚河の身分を剥奪し、追放した。
明徳帝即位前、次期皇帝の名を記す先帝の龍封巻軸には琅琊王の名が書かれていたが、当人がそれを破り兄に帝位を譲った。龍封巻軸は2本あり、もう一本は紛失していたが、4年前出現し、琅琊王が正統という声の高まりを潰す意図の謀反劇だった。当時の明徳帝は権力を手放せず、内心、琅琊王の力と人望を恐れた。後年、そんな自分に失望していた。
楚河帰還の際、病身をおして立場回復のために出向くほど、追放した息子を待ち望んでいた。追放は逆臣から守るためでもあったものの、かなり後悔した模様。追放後の悲劇は知らなかった。
神医華錦に詰められて白状した、心の病は琅琊王への後悔で、琅琊軍の皇城入りの際、冤罪を明言し、蕭淩塵の厳しい糾弾も受け留めた。
ただ、狸オヤジらしく、最後の最後にも、白王と永安王に対してトラップを仕掛けるが、自分の時とは違い、息子達の間に血が流れる争いが起きることはなかった。
皇弟 琅琊王、蕭若風

明徳帝の弟。文武、人柄、全てにおいて秀でていたため、龍封巻軸に次期皇帝として名前が書かれたが、それを破り、帝位を兄に譲った。
12年前、天外天の葉鼎之(ようていし)の北離侵攻を撃退し、鎖山河(さざんが)の約を締結。5才の無心を人質として寒水寺に預けた。
南訣の侵攻も幾度も阻み名を挙げていたが、4年前、紛失していた龍封巻軸の残り1本が現れ、琅琊王を押す世論が高まると、突然謀反の罪で投獄される。その際、無罪と考えた御史の数人は暗殺され、琅琊王は否定も肯定もせずに沈黙を続けた。
処刑直前、李心月母娘が救出に来るが、李寒衣に剣を突き付けられた明徳帝が、どちらか1人だけ助けて良いと言うのを聞き、笑いながら李心月に、無駄な犠牲を払うな、後のことは任せると囁き、李心月の剣で自害してしまう。
龍封巻軸
立太子の際、2本の巻軸に名前を記す。一本は聖意を記し五大監が保管、一本は天意を記し欽天監が保管する。
両方に名前を記されれば、正式な跡継ぎとなる。
皇弟 蘭月侯、蕭月離

皇帝からも周囲からも信頼の篤い皇弟。
琅琊王を疑った皇帝が近くに置き続けるのは、蘭月侯に一切、皇位への欲がないから。蕭楚河や蕭崇への家族の情も分かり易く持っており、力を貸そうとする。
蕭瑟への白王の接触後、皇帝からの命を受け、蕭瑟と雷無桀に、皇帝が悔いているとの伝言を持って会いに行く。蕭瑟は、唐門と雷門の争いで命が危うく、途中で拾った華錦と共に雷門に駆け付ける。先に来ていた葉嘯鷹と睨み合いになった時、雷無桀と司空千落に、蕭瑟の正体を教えた。
皇宮に戻り、蕭瑟が蓬莱島に治療に行くことを、斉天塵に伝えた。
蕭瑟の天啓入りを斉天塵に知らされ、虎賁郎800名を連れて護衛に向かう。
無心を薬人から救うため、宣妃の血が必要な蕭瑟と雷無桀に女装させ、後宮に送る。
二皇子 白王、蕭崇

幼い頃、弟の蕭楚河との仲は良かったが、楚河を狙った毒入りの菓子をうっかり口にしてしまい、そのせいで目が見えなくなった。
皇帝からの信頼も得ており、楚河追放後、熾烈となった皇位争いにも意欲的。行方不明だった楚河の情報を得た皇帝から確認を頼まれ、父親の愛情は未だ最も楚河に注がれていると気付き、焦りが生じる。皇帝の楚河追放の理由も理解していた。
蕭瑟を楚河だと確信し、一切の罪を赦免して身分と爵位を返し、天啓に戻れとの勅命を伝えるも、過去に罪はないと蕭瑟に断られ、自分が誤解されていることにも気付く。
謀略は巡らせるものの、正道を忘れてはいない。落ち着いた性格に見えるが、無双曰く、掌冊監に学んだ技で温厚そうに見せ、怒剣仙の技で殺気を抑えているらしい。神医による手術の際、治療と利益は別、父も弟も情義で回復を望んでいると聞き、憑き物が落ちる。
幼い頃、学堂の師、謝宣から帝王の道を学んだ時、徳を重んじる「君道」を選んでいる。
六皇子 永安王、蕭楚河

才能に恵まれた次期皇帝最有力候補。13才で優れた武術の4つの境地、レベル2の自在地に至り、17才でレベル3の逍遥天に達した天才。
4年前の琅琊王事件で慕っていた叔父を庇い、琅琊王の死後も冤罪を晴らそうと奔走したため、平民として青州へ追放され、消息不明。
追放直後、刺客に襲われて武芸を封じられ、雪落山荘という宿の主人、蕭瑟(しょうしつ)となっていた。内力を使わない天下第一の軽功、踏雲だけは使える。境遇のためか、物事を斜に構えて見る皮肉屋の情報通。お金にシビアで、身なりで相手の懐事情を計るが、時々外す。
師匠の百暁堂の前堂主、姫若風には、今のおまえは、勝ち気で人の忠告を嫌い、賢さをひけらかして弁舌をふるい、無慈悲で強情、君主にはあるまじき欠点と評され、発破をかけられた。
事件後、身を隠した琅琊王の息子の蕭淩塵(しょうりょうじん)とも仲良し。
謝宣から帝王の道を学んだ時、江湖を渡り歩く「遊侠道」を選んでいる。
優れた武術の4つの境地
レベル1 ー 金剛凡、レベル2 ー 自在地、レベル3 ー 逍遥天、レベル4 ー 神遊玄
七皇子 赤王、蕭羽

幼い頃から何をしても勝てない蕭楚河に強いライバル心を持ち、野心の強い性格と、出自に対してのコンプレックスとが相まって、大層拗らせており、とてつもなく厄介な男。策略以外能はないが、あちこちの勢力と積極的秘密裏に繋がり、陰謀を張り巡らせている。
義父は、母、宣妃の師兄である、孤剣仙、洛青陽。
異父弟の無心を天外天に戻して天外天を操ろうと目論み、無心に接触する。無心は明確な返事はしていないが、承諾されたと思い、無心の依頼で、薬王谷を追放された夜鴉を使って薬人にした冥侯を残す。
謝宣から帝王の道を学んだ時、乱世の君主「覇道」を選んでいる。
皇帝にも宣妃にも、密かに毒を盛っていた。
長年かけての歪みだったとはいえ、母親の宣妃が息子に真相を隠し続けたのが、それに拍車をかけたのでは?と思えてならない。徹底的な敗北を知り真相を知って、自分の人生はなんだったのかと絶望するくらいだったので。
九皇子 蕭景瑕(しょうけいか)

蕭楚河の名を騙り、暗河を天啓に入れると言い、雷門の壊滅を請うと書かれた手紙を持参して、暗河に単身接触した。唐門には白王を騙り手を組んで、暗河と結び付けた。
全て暗河にはバレていたが、暗河は蕭景瑕を呼び水として、白王を待っていた。現れた白王に、蕭景瑕は張り飛ばされる。
白王は弟を信用し、心配もしていたが、実は赤王から白王の懐に送られていた密偵。
白王の手術時、白王に短刀を突き刺すが、白王は沐春風の金縷衣を着ており、逆に唐蓮の残した暗器に攻撃され、絶命。
現琅琊王、蕭淩塵

前琅琊王、蕭若風の息子。一見明るく飄々としていて庶民的だが、実は切れ者。
4年前の事件の時、蕭若風と共に天啓を出ようとしたところを、白虎使、姫若風に止められ、蕭若風は天啓に残り捕縛された。当時の白虎使の意図は明かされていない。
蕭淩塵は逃がされ、琅琊軍と共に市井に紛れていた。従兄弟である蕭瑟が立ち上がったタイミングで再会。瞬間、蕭瑟の口元が思わず綻ぶほど、2人は仲良し。今は自分が戻るタイミングではないとし、琅琊軍と共に天啓に戻る準備をしつつ、蕭瑟からの連絡を待つことに。
届いた連絡は赤王と瑾宣の謀りだったが、機は熟したと挙兵を決める。
目的は冤罪を晴らすことで、皇位を簒奪する気は毛頭なかった。ただし、秘めた恨みは深く、当時の情勢と皇帝の不安も下策も、笑顔の下で全部読み切っており、皇帝に真正面からぶつけ、認めさせた。此度誰を選べばよいかと聞かれ、皇帝の座は孤独、最も憎い皇子を選べばいいと答えた。
鎮国大将軍 葉嘯鷹(ようしょうよう)

琅琊王に忠誠を誓っていた将軍。琅琊王事件の際は、琅琊軍を率いて、いつでも出陣できるよう待機していた。
琅琊王亡き後も、身分はそのままに置かれたのは、明徳帝の懐柔策であると知りつつ、忍んで仕え、琅琊王の汚名回復の機会を待っていた。
蕭楚河の幼馴染である、葉若依(ようじゃくい)の父。
雷無桀の父、雷夢殺(らいむさつ)とは、琅琊王の含めての親友だった。
娘が雷門にいると知って、葉営を従え突撃してしまう人。でも本当の目的は蕭瑟に会うためだった。
蕭瑟の目的が帝位ではなく琅琊王の冤罪証明のためと察しても、覆すには帝位が必要だと決意し、蕭淩塵と共に謀反とも取れる天啓進軍をする。皇城で長年の無念を大爆発させたが、甘いと侮っていた蕭瑟と蕭淩塵に上手に収められ、皇帝も琅琊王の冤罪を認めた。以降、隠居。
欽天監監正 国師 斉天塵(せいてんじん)

元は黄龍山で修行していた人。子供の頃の莫衣を見て、師匠に助言して助け、師兄となっていた。欽天監から陣を組んで蓬莱島に飛び、魔道に落ちた莫衣を助けようとする。
道義等々は重々承知の上でも、皇帝の思いや意図、その立場などから、行動には制限がかかる。蕭瑟帰還の宴にも、行きたくはなかったものの、縁の深い望城山にも請われて出席。
欽天監とは、天文観測や暦作り等を行う官庁で、歴代監正は星月閣で天下の一大事を占っていた。葉若依の師匠。
李寒衣と趙玉真が暗河と唐門に襲われていた時、ひょっこり助けに現れたりする。故人との約束だったらしい。望城山?李心月?
無心の薬人の術を解くには、宣妃の血が必要だという知識も持っていた。
董祝太師

徒党を組まず清廉潔白を貫いて、50年官吏を務めてきた人。皇帝の病の悪化に伴い、斉天塵と共に監国となった。
蕭瑟に琅琊王の形見の剣を貰い、かつて出征した際、その剣で守られた董祝太師は、蘭月侯と一緒に蕭瑟帰還の宴に出席した。そのため、文武百官が慌てて追従し、斉天塵も現れたことで、白王、赤王も動かざるを得なくなった。
九九道の次に、赤王が暗河、蘇暮雨と慕雨墨を使って暗殺を試みるも、従者の離天と、蕭瑟からの指示で現れた司空千落に阻止され失敗する。
瑾言が集めた連判状(琅琊王が正統である)に署名してしまい、後に瑾言を暗殺しようとするが、司空千落と瑾仙に阻止される。
五大監 瑾宣

五大監のトップ。明徳帝の幼馴染。
先代の大監濁清に最も近しく、様々後ろ暗い人物。
立太子を不安視して斉天塵に会い「白は国を定め、赤は疆土を開く。龍、野にありて、天下安んじ難し。」と謎かけのような言葉を貰う。
宣妃に会おうと、最初に後宮に潜入した無心を撃退し、傷を負わせた。
皇帝の死後、五大監は皇陵の護り人となる慣例を廃止したく、赤王と結託していた。白王はしばらく放置が良いと赤王に助言したが、赤王は白王の手術に手を出し失敗。その後、蕭淩塵を巻き込む手を考えるが、失敗。
連判状を持つ瑾言を狙って一緒に皇宮に向かう蕭瑟を襲い、追放当時襲ったのは自分だと認める。
赤王の破滅後は禁足となるが、皇帝に許され傍らに置かれると、今度は白王に近付こうとし、予め皇帝から言い含められていた白王に断罪される。
五大監 掌香大監、瑾仙

宦官としては紫の衣装でいるが、戦う時はやたら鮮やかな緑の人。本名は、沈静舟。17才で江湖に入り、風雪剣で名を上げた人。
無心の棺を奪還しようと約定期限が開ける前に莫棋宣が北離に現れたことを皇帝に報告し、無心共々の処理を任される。考えが読みにくいが、皇帝には忠実なため、蕭瑟が同行しているのを見て剣を収め、蕭瑟の存在を皇帝に報告した。
寒水寺の忘憂大師とは旧知の仲だったらしく、大梵音寺で無心に会った時も、共に茶を論じた小坊主と呼びかけていた。
二皇子と六皇子が子供の頃仲良しだったこと、毒菓子事件も、皇宮内の立場争いに巻き込まれた結果だったことに、心を痛めている。
瑾宣に傷つけられた無心を匿っていた。蕭瑟に取引を持ち掛けられ、無心を宣妃に会わせることに協力する。
連判状を持って逃げた瑾言も匿い、なんとか助けようと画策する。
五大監 掌印監、瑾言

非常に調子が良く欲深く、信用ならない日和見。
赤王と繋がっており、瑾宣の使いっ走りでもある。
先代の大監濁清の弟弟子、濁心が師匠。
白王の手術後、葉嘯鷹の元に現れ、瑾宣の謀り、蕭淩塵を担ぎ上げ、葉嘯鷹を巻き込む策(先帝の龍封巻軸があるよ、真の次期皇帝は誰かな?)を仄めかし、挙兵させた。龍封巻軸を隠し持っていたのは濁心だった模様。
挙兵に揺らいだ朝堂百官の連判状も集めた。そこには董祝太師も署名してしまっていた。
琅琊軍が皇城に入った時、巻軸と共に連れてきた濁心が、逆賊として蕭淩塵に処刑されると、連判状を持ったまま逃げ出した。
瑾仙に匿われ、蕭瑟に助けられる。
五大監 掌剣監、瑾威

謹厳で融通の利かないタイプ。
剣譜には載らない太祖の剣のひとつ、淵眼を持つ。
皇宮から連絡を受け、蓬莱島に向かおうとする蕭瑟一行の前に立ちはだかる。蕭楚河時代、口にした言葉に責任を持つことで有名だった蕭瑟に騙され、蓬莱島に出航されてしまう。蕭瑟曰く、蕭楚河と蕭瑟は違う。
琅琊軍皇城入りの際、師匠であった前五大監の濁清が、琅琊王を担ぎ上げようと画策したことを師匠の願いと考え、皇帝に刃を向けるも、瑾仙に阻止される。蕭淩塵には、お前の師匠が私欲のために父を皇位につけようとし、国の混乱を招いたから父は大義に殉じたのだ、即位を嫌がる父に無理強いできたか?私とて嫌だと言われてしまう。
瑾仙に、瑾玉を殺した相手を示唆し、自害。
五大監 掌冊監、瑾玉

蕭楚河が赦免され、天啓に戻るとの情報を得て、誰を選ぶかと、真っ先に瑾仙の元に聞きに来た。公言はしないが瑾仙が蕭楚河に一目置いていることを知っている。
白王の師匠でもある。皇帝の師として栄華を得るためではなく、教える価値があるからと、目の見えない白王の人となりを選んだ人。
無心の薬人を解くため、宣妃の血を貰って後宮を出た蕭瑟と雷無桀が、黒衣の仮面に襲われていたところ、白王の手術の恩を返すと言って助ける。
師匠である亡くなった濁清大監の技、虚懐功を使う黒衣の仮面の正体に薄々気付くも、力尽きる。
白王は、師匠の敵を討つと決意する。
宣妃 易文君

明徳帝の妃で赤王の母。孤剣仙、洛青陽は師兄。
元々江湖の人で葉鼎之(ようていし)の恋人だったが、後の明徳帝に見初められてしまう。赤王、蕭羽をもうけた後、葉鼎之の元に逃げ出す。葉鼎之との間にも葉安世が産まれ、幸せに暮らしていたが、蕭羽が病気だと騙されて後宮に戻る。下手に動けば葉安世が狙われると危惧し、ほとんど幽閉のように暮らす。皇族という地位に執着する赤王のためにも後宮に居続けたが、かと言って赤王を諭し導くことも、歪みを正すこともしていない。
無心が危険を冒して会いに行ったのは、葉鼎之自害の前に何を話したか知りたかったから。無心を息子とは知らないまま宣妃は、全てを捨てて南訣に逃げようと伝えたが、葉鼎之は死ぬことでしか一族を守れないと自害したと打ち明けた。その時、赤王から毒を盛られ、咄嗟に解毒した無心に毒が移動してしまい、無心は捕われ薬人となる。
あれだけしでかした赤王を、最後にまだ連れ出せると思う辺り、この人と洛青陽の甘さは痛い。
白王護衛 蔵冥

非常に忠実な白王の護衛。
意図の分からない蕭瑟の出現に、誰よりも危機感を感じ、白王が不利にならないよう心を配りつつ、蕭瑟に敵対する態度を取る。
蕭景瑕の訳の分からない動きも、しっかりと追わせ、白王が誤解されていること等々、きちんと報告している。
白王の目の治療法について独自に調べてもいたため、華錦が手術の手段を口にした時、ドナーが必要であることも察知。白王には内緒で、その役目を買って出た。
雪月城
いくつかの門派が集まっている。天下四城のひとつ、南の雪月。
蕭楚河派と目されている。
大城主 酒仙、百里東君

滅多に姿を現さない城主だが、情報は逐一得ている。
唐蓮が無心移送に失敗した時、12年前、自分達が師匠から贈られたものと同じ言葉「心のままに動け」を送った。
天外天、白髪仙を古い友人と呼ぶ。
東帰酒館の主人もしており、蕭瑟と雷無桀に極上の風化雪月という酒を振舞い、翌日登天閣最上階に挑戦する雷無桀の、火灼の術、第3域を突破させた。そのために唐蓮に命じて、氷精水を渡させたり、最上階に挑戦する前に一晩休むことを助言させた。
過去の出来事に囚われており、全てを忘れる孟婆湯を作りたいと願い、東帰酒館を蕭瑟に譲って蓬莱島に行くが、魔道に落ちた莫衣に幽閉されていた。神遊玄の域に達しており、遠方までひとっ飛びができるらしい。
莫衣が正気に戻り、休息に入る間、蓬莱島を守ることを託される。
二城主 雪月剣仙、李寒衣

剣心塚、李素王の孫で、前青龍使、李心月の娘。雷無桀の姉。
琅琊王の処刑場にも、母李心月と赴き、皇帝に剣を付きつけていた。
月夕花晨という花吹雪の舞う美しい技を持つが、偏屈で意固地な性格で、弟にも姉だと打ち明けないまま、雷無桀を弟子に取る。この時、登天閣を縦に三分割し、司空長風を泣かせた。後に雷無桀に青龍使を継承させる。
若い頃、男装にヒゲ、仮面をつけて玄剣仙、趙玉真に臨むも、一目でヒゲつけただけじゃんと見破られる。中国古装ドラマの男装って…
互いに一目惚れで1年後共に山を下りると約束したが、望城山の邪魔や雷雲鶴が挑んだ時の趙玉真の傷などで、約束は果たされなかった。
尹落霞の助言でようやく行動し、幸せを掴み取ったと思いきや、暗河に襲撃されるという運命のイタズラ。だーからもっと早くに素直になってさー…
憎しみで心魔に囚われるが、無心の伏魔拳法に助けられる。その後は雪月城で療養。
五大剣仙
儒剣仙、謝宣
怒剣仙、顔戦天
孤剣仙、洛青陽
雪月剣仙、李寒衣
玄剣仙、趙玉真
三城主 槍仙、司空長風

いつも不在な大城主の代わりに雪月城を守る、実質トップな役割の人。
槍仙でありながら、薬王谷、辛百草の弟子でもあり、100年も使い手のいなかった無双城の無双剣匣(むそうけんこう)十三剣を、槍仙の内力で無理矢理使いこなしてしまうほど、多芸多才な人。若い頃はその一撃で、天啓の半分を壊すほどだったらしい。医術に集中すれば万病も治せると辛百草に言われながら、薬王など嫌だと飛び出した人。
琅琊王事件の時、本人から何があっても雪月城を動くなと手紙を貰い、何か計略があるのではとそれに従ったことを、今でも後悔している。そのせいで蕭瑟からは憎まれていたが、事情を打ち明け、蕭瑟を弟子にして雪月城の財務を任せる。どんな選択をしても、蕭瑟の判断を支持すると白王にも宣言する。
溺愛している娘の司空千落に、朱雀使を継承させる。
百里東君同様、葉鼎之(ようていし)とは知己であったため、白髪仙のことを古い馴染みと呼ぶ。
天啓四守護
元は北離で後継者争いが起きた時、琅琊王が官吏を望まない実力者を集め、天啓を守るため混乱を収めさせたもの。事件一か月前、琅琊王は何かを察していたように、令牌の継承と、王朝の未来を担う者(蕭楚河)を守るよう命じた。
()内は、蕭瑟の天啓入りの際、戦った勢力。
青龍使 李心月 → 雷無桀(無双城、白王派)
朱雀使 司空長風 → 司空千落(程洛英軍、赤王派。葉若依が葉軍を引き連れて加勢)
玄武使 唐怜月 → 唐蓮(暗河、赤王派)
白虎使 姫若風 → 姫雪(慕涼城に行き洛青陽の動向を確認。司空長風も同様で、鉢合わせた)
唐蓮

雪月城の筆頭弟子。百里東君が師匠。唐門、唐怜月の弟子でもある。
親を亡くし、唐怜月に拾われた後、17才で百里東君に任された。
唐怜月より、天啓四守護、玄武使を継承。蕭瑟の正体も察していた。
真面目な堅物で、雪月城の大師兄として信頼も篤く、手のかかる師弟達を大切に思っている。周囲の意志と掟に従ってきたので、百里東君に貰った「心のままに動け」もどうしていいか悩んでしまうほど。なのに突然、衆目の中に躍り出て歌を詠んだりする。雪月城の密偵、天女蕊(てんにょすい)と互いに惹かれ合いながら、迫られると腰が引ける。
登天閣14階の守り手だったが、刀糸陣を瞬時に破った雷無桀の成長を認め、上階へ行かせる。
唐長老の裏切りによる、唐門の分裂と雷門との決裂に心を痛め、唐門の暗器使用を封印するが、唐怜月の言葉で自分のやるべきことを心に刻む。
謝宣に貰った酒経の価値に気付き、学んでいくものの…
司空千落

司空長風の娘。槍使い。
唐蓮の秘密の任務を追いかけて邪魔したり、雪月城に蕭瑟が来た後は、司空長風から囁かれ、蕭瑟の軽功の修行と称してうるさく追いかけ回したり。序盤は父親に溺愛されているワガママ娘の印象が強いが、経験を積み、徐々に成長していく。
喜怒哀楽がストレートで気が強いが、根はさっぱりしている。
司空長風に最初からその気があって仕向けたのかは不明だが、いつの間にか蕭瑟を気にするようになる。相手も分からないまま、ひとまず朱雀使の令牌を手にしたものの、対象が蕭瑟=蕭楚河だと知り、腹を括る。
蕭瑟が危険から遠ざけようとすると怒り、どこまでも共に戦おうとする肝の据わった江湖女子。
葉若依

鎮国大将軍、葉嘯鷹の娘で蕭楚河の幼馴染。体が弱く、雪月城で養生していた。正体を隠して雪月城に来た蕭瑟に一目で気付くが、落ち着いて知らないふりのできるクレバーな人。葉嘯鷹に楚河周辺の情報を送っていた。
雷無桀に分かり易く一目惚れされるが、満更でもない模様。雪月城での宴の際、唐蓮を助けようとした雷無桀の剣気が止まらなくなったのを、若依剣舞で咄嗟に鎮めてくれた。
欽天監、斉天塵の弟子で、観星術、天測航法もできる。蕭瑟と共に、蓬莱島で体を治して貰う。天啓帰還後は、蕭瑟の参謀となる。
子供の頃、蕭楚河にほのかな想いを抱いていたが、現在は手放しており、友として力になり支えようとする。葉嘯鷹が蕭淩塵と共に兵を率いようとした時は、目的は同じでも方法が違うと呟く蕭瑟側についた。
長老 尹落霞(いんらくか)

無双城、宋燕回の元恋人。美しさで名を馳せていたが、賭け事好き。
宋燕回に愛想をつかしていた時、司空長風に賭けを挑まれて3連続で負け、雪月城の長老となった。
頑固でいろいろ拗らせている李寒衣の、お悩み相談係。
李寒衣だけでなく、雪月城を孤立させようとする陰謀の中、ひとり雪月城を背負って立つ司空長風の、頼りになる相談係でもある。
弟子、落明軒に思いがけず想いを告げられ、逃げ出す。落明軒は、即追いかけて行ったらしいが、多分いつか絆されるんだろうな(^m^)
落明軒

尹落霞の弟子。雷無桀が登天閣に挑戦した時の13階の守り手で、武芸ではなく賭け事勝負を仕掛ける。結局はサイコロを争って拳勝負。
雷無桀が尹落霞に憧れていると聞き、美貌で評判の高い師匠のことを年増扱いしていたが、実は師匠に惚れていての牽制だった模様。
依頼していた剣を取りに剣心塚に行く途中、雪月城の狼煙に気付き駆けつけると、暗河に狙われ、動けなくなっていた蕭瑟を背負った雷無桀と司空千落がいた。共に剣心塚に向かう。
李素王に7本も剣を作って貰い、大喜びでその後、常に7本を後光のように広げて背負っている。邪魔そう…
人の出入りが激しい雪月城の中で、兄弟子として下っ端をしっかり指導。気付けば一番弟子のような形になり、武芸者ランキングもかなり上がっていたが、逃げた師匠を追って行ってしまう。
天女蕊

美人荘という賭博場を兼ねた遊郭にいる、雪月城の密偵。
唐蓮とは相思相愛だったが、分かり易く迫っても、任務優先のカタブツ唐蓮は、なかなか正面から向き合ってはくれない。玄武使を継承してからは、猶更、巻き込みたくないと考えるようになった唐蓮に、遠ざけられる。
蕭瑟の天啓帰還の宴に呼ばれ、唐蓮のことで心にわだかまりを抱えていたが、蕭瑟の意図を知り、涙する。
後に、しっかり唐蓮の敵討ちを遂げる。
無双城
天下四城のひとつ、東の無双。白王派。
元々は天下無双城を名乗っていたが、雪月城の台頭後、勢いを無くし「天下」を外したという経緯がある。
蕭瑟を確認した白王が、いち早く接触し、天啓入りまで静かに待てと命じた。蕭瑟の天啓入りの際は、殺そうとしていた他の勢力とは違い、白王の命で捕縛して足止めをしようと出陣した。
城主 宋燕回

尹落霞の恋人だったが、愛より無双城、城主の立場を選んだ。
断水剣の剣先を斬り落とした李寒衣に何度も挑戦し、全て敗北。修行中で人払いをしている李寒衣の状況などお構いなしに挑戦に来て、雷無桀に止められて打ちのめす。怒った李寒衣に反撃され、死を覚悟した時、司空長風に指示された尹落霞に救われた。
長老達が口を挟み、自分より操り易い人物を城主にしようとしてくる中、大事に育てていた無双の圧倒的な力を披露し、城主に据えた。
そう話の分からない無茶苦茶な人物ではなく、最初の時から雷無桀の素質を認めており、蕭瑟の天啓行きを阻止しようと出て行った時も、雷無桀に剣の心を諭され、納得して退いた。
無双

無双剣匣(むそうけんこう)十三剣を操ることの出来る、天才少年。
強くなることだけが目標で、当主の座になど全く興味はないが、それが自分の義務だと理解はしていて、早々に城主の座を継ぐ。
態度は不遜で物覚えが悪く、弱い敵のことなどすぐに忘れてしまうが、于師国で戦った無心や雷無桀、蕭瑟、唐蓮、司空千落、無禅、教えを受けた司空長風など、あの場にいた人達のことだけは特別だと認識している。
肝が据わっていて飄々とし、余り他意はないため、暗河の慕雨墨にもひょいっと近付き、気に入られてしまったりする。
天啓に入った洛青陽に、白王に呼ばれ、二番目に挑戦する。この時には、以前は使えなかった大明朱雀がなんとか使えるようになっていたが、洛青陽の圧倒的な力に敗北する。とどめを刺されそうになったところを、蕭瑟たちに庇われる。
盧玉翟

無双の兄弟子。槍使い。
無双の抜きん出た実力を認めており、態度の悪い師弟に怒ることはあっても、関係は良好。
莫棋宣を単身追った無双が、林の中で寝ていたのを見て死んでしまったと誤解し、ショックの余り頽れて泣き叫ぶ。寝ていただけと知って、殺してやるーと暴れる意外にカワイイ師兄。
望城山
玄剣仙、趙玉真

長老や師匠から、下山したら世の平和を乱す大事が起きると言われ、一度も望城山を出たことがない。蕭瑟曰く、江湖の三大引き籠りの1人。
望城山の秘術大龍象力や無量剣の使い手。望城山至高の心法、離火陣心訣(りかじんしんけつ)を覚えたのは、季節外れに桃の実を食べたかったから。
挑戦に来た李寒衣に一目惚れし、1年後に迎えに来る約束を待っていた。それが果たされなかったのは、雷雲鶴との戦いの傷で修行中だと、周囲が李寒衣を望城山に入れなかったから。趙玉真だけは何も知らされず、約束を破られたと思いながら、その後も静かに待ち続けていた。
雷無桀の来訪で事情を知り、山を下りる決断をして、暗河と唐門に襲われていた李寒衣を助けるが、暴雨梨花針の一本が李寒衣に刺さってしまう。
止淵城で偶然会った謝宣と共に治療するが、抜いた針を代わりにその身に受ける。謝宣に桃の木のある屋敷を探して貰い、そこで李寒衣にプロポーズするものの、花嫁衣裳の李寒衣の前で息絶える。
蕭瑟曰くの、江湖の三大引き籠り
玄剣仙 趙玉真、孤剣仙 洛青陽、雷門 雷轟。
飛軒

大龍象力を使う少年。通天の術で、未来を占うことができる。
雪月城城下で登天閣挑戦中の雷無桀を待つ蕭瑟が、行く末に悩み、占って貰おうと近付く。結果が吉凶真逆になろうとするところで、蕭瑟はコインを止めて結果を出すのをやめた。
決断する勇気がなかったが、天道より己を信じると言った蕭瑟に、余りにも大きな卦でもあったためか、飛軒は感謝した。蕭瑟は望城山の占いが自分のせいで外れたら、趙玉真に首を切られると答えて去る。
趙玉真が亡くなった時、望城山に飛んで戻って来た趙玉真の剣を受け留める。
後に、李凡松と共に、欽天監斉天塵の元に学びに行く。
蘇暮雨、天女蕊、李凡松と共に、趙玉真の敵討ちを果たす。
李凡松(りはんしょう)

飛軒の小師叔。
登天閣に挑戦しようと、飛軒と共に雪月城に来る。未来が見える望気の術が使えるため、先に登天閣に向かった雷無桀を見て、彼が最上階まで行けることに気付く。ちょいと便乗して、李寒衣に挑戦するものの、雷無桀と共闘しても歯が立たなかった。趙玉真から李寒衣の話を聞き、憧れていたが、李寒衣には自作の桃の木で作った剣を折られ、冷たく弾き飛ばされる。ずるっこはしたけど、ちょっとカワイソ。
望気の術には三段階あり、まだ第一域だと一目で蕭瑟に見破られるが、こちらも蕭瑟を見て、ただ者ではないと気付いていた。
飛軒と共に欽天監に行った際、斉天塵に蕭瑟の宴に出席することを請う。
趙玉真の敵、蘇昌河を討つため、天啓で斉天塵と謝宣に学ぶ。
蘇暮雨、天女蕊、飛軒と共に、敵討ちを果たす。
呂素真(りょそしん)

望城山の掌教。趙玉真の師匠。
趙玉真の天劫が見えるといい、神遊玄に到達すれば天道に束縛されないとして、神遊玄になるまではと、趙玉真を下山させなかった。李寒衣との交流も、苦々しい思いで見ていた。
趙玉真が神遊玄修行中に雷雲鶴と戦い、腕を斬り落としたが自身も精気を損なって呂素真と共に治療していた時、李寒衣が迎えに来た。
李寒衣は、山門前で門弟に追い返され、来訪を呂素真から趙玉真に告げて欲しいと伝言したが、伝えられなかった。
趙玉真の神遊玄修行は成功せず、呂素真、趙玉真共々傷を負い、呂素真は亡くなった。以降、この時の話は望城山では語る者がいなくなった。
殷長松(いんちょうしょう)

望城山の長老。
雷門での宴の前に、雷無桀と蕭瑟が立ち寄った際、ようやく趙玉真に李寒衣が本当は迎えに来ていたこと、趙玉真にだけはそれを内緒にしていたことを告げる。
同じ時、雷轟も挑戦に来て、あなたが剣仙になったら私が挑むと李寒衣に追い払われている。てか雷門、望城山にとっては、ただのメンドクサイ奴ら…
趙玉真が亡くなり、剣が戻り、桃の花が散ってしまうのを見て、望城山としての敵討ちを宣言する。
唐門
毒と暗器を得意とする門派。
唐大長老は暗河や他の皇子達と手を組んだが、唐怜月が大長老を継いでからは、表向き、どの皇子にもつかない選択をしている。
門主 唐怜月

唐蓮の師匠。玄武使を唐蓮に継承する。
雪月城を、唐門、雷家、温家で支えていたが、唐門と雷家は不仲だった。
それでも雪月城主と唐怜月との友好で連盟を組んでいたが、赤王の命で蕭景瑕が大長老に接触し、雪月城より好条件で同盟を持ちかけたことで、大長老は寝返ってしまう。ただし、蕭景瑕は白王を騙っていた。
その唐門大転換の晩、たまたま、玄武使を唐蓮に継承して欲しいと願いに来ていた葉若依を、唐蓮に玄武使の令牌を渡し、共々逃がす。
大長老亡き後は、世間を騒がせた負い目を感じ、静かに唐門を率いていたが、蕭瑟のために唐蓮を送り出し、その後も、蕭瑟に期待をし続けていた。
唐大長老

赤王の策略で、雪月城を裏切る選択をする。白王と暗河と結んだ気になっているが、その実、暗河と結んでいるのは、赤王の命を受けた、九皇子、蕭景瑕。更に蕭景瑕は、暗河には簫楚河を騙り、唐門には白王を騙っている。その辺りの複雑さを見極められずに、雪月城のみならず、そもそも不仲だった唐門と雷門との関係を決定的に壊した人。
暗河と組み、雷門の宴の酒に毒を盛り、雷千虎を倒した後、雷無桀、司空千落、唐蓮、葉若依と戦うが、流転の術で徐々に力を回復し、束の間最盛期に戻れた蕭瑟に阻まれる。流転の術で、大長老と蘇昌河の内力は蕭瑟を攻撃せずただ循環するだけになったため、大長老の背に力を送った蘇昌河に体を破裂させられた。
唐澤

唐蓮以外の兄弟子たちが大長老に従う中、同行はしていたが、目立った動きはなかった。唐門の筆頭弟子かも。
大長老の破裂後、唐門、大長老の悪事は重々承知の上で、事件を丸く収めるため、冷静に雷雲鶴に取引を持ち掛けた、肝の据わった人物。
唐蓮亡き後、玄武使を継ぐ。
霹靂堂 雷門
拳法と火器を得意とする門派。剣術を禁止している。
雷無桀

雷夢殺(らいむさつ)と剣心塚、李心月の子で、雷轟の弟子。雪月剣仙、李寒衣の弟であり、弟子。名付け親はなんと現皇帝。
天啓四守護、青龍使だった母の令牌を、保管していた姉から継承。
剣心塚の当主を祖父に持つ上、雷門の中では異質である剣を扱う師匠同様、剣も使う。雪月城に向かう途中、蕭瑟の雪落山荘に立ち寄り、ならず者を退治。感謝されると思いきや、備品の弁償を迫られ、共に雪月城へと向かう羽目になる。
間違いなく善人で素直な友達思いだが、世間知らずのトンチンカンで熱血ストレート、名のある武芸者にはどうにもミーハーなので、序盤はトラブルメーカー。めっちゃ方向音痴。
負ける度に、一歩一歩強くなっていく、少年ジャンプ系。
無心から伏魔神通という技を伝授され、密かに鍛錬していた。
弟子になるだけなら唐蓮の口利きでなれたものの、登天閣に挑戦したのは、雷轟のために頂上にいる李寒衣を連れて行きたかったから。姉とも知らずに。
当主 雷千虎

雷門当主。雷門四傑の中では最年少のようだが、上3人が勝手に出歩くので、仕方なく残って当主にならざるを得なかった苦労人。
寒毒に冒されており、雷轟の施す温家の毒による治療しか打つ手がない状態だった。
宴の日、慕雨墨の蜘蛛に酒に毒を入れられ、唐大長老と蘇昌河と戦う。雷雲鶴が現れるも間に合わず、強力だが自らも傷付ける五雷天罡拳の第9域を使い、次期当主を雷轟に任じて、息を引き取る。
雷門四傑
雷夢殺、雷轟、雷雲鶴、雷千虎
雷雲鶴

九天驚雷撼乾坤(きゅうてんけいらいかんけんこん)という技を持つ。
望城山の玄剣仙、趙玉真に挑むも破れ、片腕を斬り落とされて、武芸の等級を落とし、姿を消した。その際に、白髪に?
以降雷門を離れ、雪月城の登天閣15階で守閣長老をしていた。
登天閣に挑戦した雷無桀の殺怖剣を見て、雷轟の弟子だと分かり、まだ金剛凡の域の雷無桀がかなり手強く、素質があることを見抜く。諦めずに立ち向かってくる雷無桀の拳に倒れたことで、自分の力が弱まったのは、心が萎えたせいだと気付き、復活して逍遥天に戻る。
それでも、このままでは面目が立たないと言う辺り、李寒衣の意固地さに似ている江湖人。阿離(あり)という鶴を使役する。
復活の勢いで登天閣の壁を壊し、司空長風に笑顔でチクリとされるが、ま、そこは江湖人、気にしなーい(笑)
ただ、雷轟が衝撃を受けた美しい剣気は、望城山に挑戦に行った李寒衣のものだったが、この人はそれが趙玉真だと勘違いしていたりする。
雷轟

李寒衣の剣気に衝撃を受け、一目惚れし、以降、雷門では禁止されている剣術に傾倒する。剣仙になったら私が挑むと李寒衣に言われたことで、剣仙になろうと修行している。李寒衣を見ると、明らかに目がハートになるが、後年、クールな李寒衣に遠回しに断られたことに気が付いた。ヒゲなしは若い頃、今はヒゲあり。
雷無桀が剣術も嗜むのは、剣心塚の孫という出自のためもあるが、この師匠の影響。蕭瑟曰く、江湖の三大引き籠りの1人。
趙玉真亡き後、心魔に囚われた李寒衣を単身追うも、雷雲鶴と雷轟が趙玉真に挑まなければ会えた、雷門に行こうとしなければ趙玉真は山を下りず死ぬこともなかったと言われ、ショックを受けている時、無心に助けられる。
後に望みが叶い、剣仙に昇格した。
九龍門
12年の人質期間終了間際に、師匠忘憂大師が死去し、無心が寒水寺から棺に入って移動することになった門派。武技は不得手だが、西域由来の本相陣を得意とする。
大覚

九龍門の当主。12年前、前当主を天外天に殺されており、小さい頃から無心を狙うが、忘憂大師に止められていた。殺生、窃盗、邪淫、飲酒、事実無根の嘘の五戒を禁じる九龍門の当主でありながら、5才の無心を一目見て殺意を抱いた。
正邪は相容れないという江湖の暗黙の了解に縛られ、真実を見極められず、偽善者となって大師を追い詰めた人。
大師亡き後、無心を始末しようとし、羅刹堂32の秘術を極めているから危険だと、移送に内力を封印する金棺を使うことを指示した。
無心を殺そうと狙い待ち構えるが、心魔引を恐れ、無心の前で目を開けない程度の人物でもある。心法を標榜しながら、自らが心魔に犯され魔道に落ちていたのを、無心の悲天憐人の術で武功を散らされ、逆に助けられて退いていく。
無禅

無心の入った棺を美人荘で唐蓮から引き渡される予定だった、約束の人。
寒水寺の門弟だったが、12年前、大覚と忘憂大師との話し合いで、九龍門に引き取られていた。寒水寺にいた頃、才気に溢れた5歳の無心と会話したことを覚えていて、無心は悪ではないと思っていたが、忘憂大師の法会のために、追っ手から逃れて于師国に行ったことに気付き、やはり無心を信じると決意する。
大覚の騒ぎ後、寒水寺に戻り、在家弟子として一人で寺を守っていたところ、無心から冥侯を預けられる。
魔教 天外天
魔教最大の教派。十数の教派の中、天外天の当主を教主と呼ぶ。
12年前、前教主、葉鼎之(ようていし)が東征して北離に攻め込むも琅琊王に破れ、葉鼎之は自害した。その時、天外天は北離には入れない、葉鼎之の息子の葉安世を人質にするいう、12年期限の鎖山河の約という和平協定を結んだ。
無心帰還後、復活した天外天に、赤王が接触してくる。
無心 葉安世

前当主、葉鼎之と宣妃の息子。これで17才。んな訳あるかー!
鎖山河の約で、5才の時、寒水寺の忘憂大師に預けられ、羅刹堂32の秘術を極めた。心魔引で、人に自らの心魔を見せることができる。
忘憂の死後、金棺で九龍門に移送される途中で、天外天に戻すな勢と若当主を取り戻せ勢の双方から襲われる。
忘憂の舎利を故郷の于師国に納めて法会をしようとし、同時に父親を裏切った王人孫を探していた。蕭瑟と雷無桀を同行させたのは、2人がそれぞれ、汚れていない玲瓏な心の持ち主と、心の底が深すぎて警戒心が強い者で、心魔引が効かなかい特別だったから。
道中雷無桀には伏魔神通を、蕭瑟には心魔引を伝授し、気付けば心の友よ!となっていた。蕭瑟の正体も、早々に見破る。
大覚との戦い後、白髪仙を連れて来た司空長風により、天外天に戻る。天外天にいても、友人の消息は把握している。根は結構なお茶目さん。
実の母、宣妃に会って確認したいことがあり、後宮に潜入する。赤王に捕えられて薬人となるも、蕭瑟と雷無桀に伝授した技で助けられることを見込んでいた。
白髪仙 莫棋宣

葉安世の師叔。棺を奪うため唐蓮を襲いに来るが、事情が分かれば単に、天外天の若当主を取り戻しに来ただけだった。行動は普通に納得できることなのに、魔教だからって、悪役ムーブ出し過ぎ。
優れた武術の4つの境地、レベル3の逍遥天に達している。
無心が当主就任以降、急いで天外天内部の不穏分子を整理し、天外天を落ち着かせたのは、葉鼎之の死の真相を調べに外に出るだめだったと察した。
暗河
刺客集団。
蘇昌河

暗河、大家長。
暗河として江湖に戻り、刺客組織ではなく、光の下で生まれ変わらせたいと考えていた。
蕭景瑕が蕭楚河を騙って近付いたことも分かっており、白王が出て来るのを待っていたが、白王には断られる。
雷門で、自分が唐大長老を誤って破裂させた癖に、自身もちょいと動揺したものの、蕭瑟に向かって大長老を殺したな、敵を討つと言い切る辺り、ま、そういうヤツだね的な男。だが、無心に阻まれる。
組んでいた赤王に、過去の失敗を上げ連ねられ責められたことで、部下達を薬人にし、使い捨てにし始めた。そのことが、蘇暮雨に離反を決意させてしまう。
蘇暮雨と組んだ蕭瑟、趙玉真の敵と狙う飛軒と李凡松、唐蓮の敵と狙う天女蕊に立ち向かわれ、最終的に蘇暮雨の手で討たれる。
蘇暮雨

武器術の蘇家、当主。傘の人。
傘に18本の長剣が隠されている。…重いだろう。
4年前、追放された蕭楚河の殺害を指示されるが、別の人物に先を越されている。
蕭景瑕の嘘に気付いても、暗河が天啓に入るために雷門を狙うことにし、謝七刀と共に宴に向かう李寒衣の足止めをする。李寒衣とは昔、共闘したことがあり、知らない仲ではなかった。現れた斉天塵に、1人だけ礼をして去ったりする、暗河の中の良心。李寒衣と趙玉真と戦い、雪月城の敵となり望城山の恨みを買ってしまった時点で、蘇昌河には意見している。
白王の手術時は、瑾威と雷無桀に阻止されるが、部下達が薬人にされ、その場で力尽きたのを見て撤収する。その後、薬人無心が現れる。
蘇昌河同様、日の当たる道に戻りたいと考えていたが、部下を使い捨てにされたのを見て、蘇昌河を討つ決意をし、蕭瑟と組んだ。
蘇昌河亡き後、暗河を解散することを決めた。
慕雨墨

医術と秘法の慕家、当主。蜘蛛使い。
接触してきた蕭景瑕の嘘を知っても、白王に断られても、暗河の仕事として唐大長老に近付き、雷門の宴の酒に、蜘蛛を使って毒を仕込んだ。
唐怜月を3回も暗殺しようとしたが、実は唐怜月を愛している。
赤王からの命で、蘇暮雨と共に董祝太師の暗殺に出向くが、従者の離天と、蕭瑟からの指示で現れた司空千落に阻止される。
白王の手術時は、蘭月侯に阻止される。
蘇暮雨同様、徐々に変わっていく蘇昌河に危機感を募らせていた。
宿で、怖いもの知らずにひょっこり近付いて来た無双を気に入り、自分の過去話をしたりする。
謝七刀

内功拳術の謝家、当主。
蘇暮雨と共に、ちょいちょいあちこちに顔を出していたが、蕭瑟の天啓入りの際、刺客21人と共に、唐蓮と戦う。
唐蓮は、最初から命を懸けて七盞星夜酒を飲んで挑み、最後の一杯を残して21人の刺客を全て撃退。謝七刀は交渉を持ちかけるが拒否され、万樹飛花で瓦礫を飛ばされて絶命する。
蘇昌離

雷門の宴に向かう雷無桀と蕭瑟の前に、名を明かして立ちはだかるが、2人を尾行していた司空千落と、蕭瑟が持っていた雷門の火器、唐蓮の武器に阻止される。
その後、剣心塚に身を寄せた彼らを、慕嬰と共に尚も狙い、李素王と戦った後、雷無桀にとどめを刺される。
雷無桀の祖父李素王は、鋳剣師としてだけでなく自らも達人だったが、孫が今後守護使として生きるならばと、わざと蘇昌離の真気を乱し、心優しい雷無桀に命と対峙させた。
使っていた剣は、剣譜5位の破軍のレプリカで、李素王が作ったもの。
慕嬰

雷門の宴に向かう、蕭瑟、雷無桀、司空千落の前に現れ、弾指酔を飛ばし、真気を使えなくする。でも謝宣に貰った書から、他人に内力を与えられる流転の陣を学んでいた蕭瑟のお陰で、雷無桀に火灼の術、第8域をぶつけられ、退却。
その後、蘇昌離と共に剣心塚を襲撃に行くが、李素王に阻まれ、雷無桀に蘇昌離を殺され、あっという間に逃げる。
百暁堂
情報収集機関。金榜という、江湖の武芸者ランキングを作っている。
雷門と唐門の諍いの後、発表されたランキングは以下の通り。改訂版発表時22話で、莫衣以外は、全員登場済。蕭瑟の天啓帰還後、改訂されたものには良玉榜に蕭瑟もランクイン。
金榜第一榜、百兵榜(刀仙は出てこないので省く)
槍仙 司空長風 愛槍 鴉月槍
剣仙 孤剣仙、洛青陽 愛剣 九歌
剣仙 儒剣仙、謝宣 愛剣 万巻書
剣仙 怒剣仙、顔戦天 愛剣 破軍
剣仙 雪月剣仙、李寒衣 愛剣 鉄馬氷河、桃花
酒仙 百里東君 武器 拳および全て
金榜第二榜、良玉榜
第一位 天外天弟子、葉安世
第一位 無双城弟子、無双
第三位 雪月城弟子、唐蓮
第四位 唐門弟子、唐澤
第五位 雪月城、雷家堡、剣心家弟子、雷無桀
第六位 望城山弟子、李凡松
第七位 雪月城弟子、司空千落
第八位 雪月城弟子、落明軒
冠絶榜(天下に冠絶する強者の榜)
第四位 顔戦天、澹台破、謝宣、離天
第三位 司空長風、摘月君、唐怜月
第二位 洛青陽、百里東君
第一位 莫衣
百暁生 姫若風

百暁堂前堂主で、蕭瑟の師匠。
病で療養中だったが、旧友忘憂大師の死を悼み線香をあげた後、無心と同行して、表舞台に戻ろうと動き出したのであろう蕭瑟に接触し、今のザマはなんだと諫言を呈する。
この時点で、蕭瑟の武術を封じた相手は分かっていると口にしていたが、それが誰かは言わない。
それでも、期待しているのは蕭瑟ではなく、蕭楚河だと弟子に発破をかけ、無極棍を手渡す。
姫雪

姫若風の娘で、現百暁堂堂主。蕭瑟とは幼馴染。
白虎使を継承しているが、百暁堂の性質上、蕭瑟の天啓入りまで表には出てこない。天啓入り後は、頼りになる情報提供者となる。
天啓入りの時、孤剣仙、洛青陽の動向を窺いに手土産の酒を持って慕涼城に赴き、同じことを考えて来ていた司空長風と出会う。
洛青陽の飛ばした鞘を受けた司空長風が、鞘に込められた剣意を読み取り、洛青陽は蕭瑟の邪魔をしに出て行かないと理解したことに感心し、サラリと去って行く。
蕭淩塵挙兵の際も、蕭瑟の依頼で昔馴染みの蕭淩塵に会いに行き、本音を探る。
洛青陽と戦った後、倒れた蕭瑟に自分の内力を全て注入して助ける。
慕涼城
天下四城のひとつ、西の慕涼。
孤剣仙、洛青陽

元は、皇族の影の護衛、影宗という組織の生き残り。宣妃も同じ。先帝を何度も助けた功により、慕涼城を得た。
愛する宣妃を二度も別の男に取られ、凄涼剣の修練のため引き籠る。
何度も宣妃を後宮から脱出させようとしたらしいが、その度に赤王のためと断られていた。2人揃って、グズな中年なんである…
蕭瑟が、自分の武芸を封じたのが赤王派ならこの人と疑っていた。
蕭瑟曰く、江湖の三大引き籠りの1人。
赤王からの連絡で慕涼城を出るが、どうやら自分のために出てきてくれではなく、宣妃を連れ出してOK的なものだったらしい。ただ宣妃ももうじきここを出て行くと口にしていたので、この2人の間で話がついており、赤王はただのキッカケに過ぎなかった感もなきにしもあらず。
強い怖いという噂だけが先に立ち、期待し過ぎてしまった。天啓登場も大仰で派手だったけれど、なんちゅーか剣仙の癖して何もかもが全て宣妃のためで、ちょっと情けな。蕭瑟の舌戦には大笑いしてしまいましたよ。ホントよ。辛いのはアンタだけじゃないわよ。カッコつけてんじゃないわよっ(笑)
剣心塚
李素王

李心月の父、雷無桀の祖父。最強の鋳剣師。
落明軒に、尹落霞の美貌は健在かと身を乗り出して聞き、弟子に咳払いされるお茶目なじいちゃん。
雷無桀が李寒衣から貰った聴雨剣(ていうけん)も、李素王が若い頃に作った風雅四剣の1つだが、会いに来ない李寒衣への罰だと没収した。
雷無桀との邂逅を喜び、楽しくオタク話を繰り広げた後、1文字の名前の付けられた唯一の剣、剣心塚歴代主が継ぐ剣譜4位の「心」を与える。魂を持ち、李心月の使っていた心剣は雷無桀を認める。
1位の天斬は天道の剣で、天命無き者は持てないため、欽天監の天剣閣で斉天塵が保管していて、李素王も見たことがない。後に蕭瑟が挑戦しに行くが、情義を枷だと言われて、そんな剣はいらぬと去った。だが、洛青陽との対決の途中、天斬が自ら動いて蕭瑟の元に出現した。
青龍使を継承した雷無桀に、守護の剣と言えども、人を殺めなくてはならないことを経験させる。
剣譜のランキング
5位「破軍」怒剣仙、顔戦天
4位「心」李心月→雷無桀
3位「鉄馬氷河」李寒衣
2位「大明朱雀」無双
1位「天斬」蕭瑟
李心月

李素王の娘で、雷無桀と李寒衣の母。前青龍使。
青龍使として天啓城を守っていたが、陰謀渦巻く天啓で息子を育てたくはなく、雷無桀を雷家に送った。
琅琊王の冤罪を信じて処刑場に向かおうとした蕭楚河を止め、自ら救出に向かった。鎮国大将軍、葉嘯鷹とも通じ、琅琊軍を集めていたものの、目の前で琅琊王に自害されてしまう。
その時の消耗が元で、天啓を出て間もなく病死。
雷無桀が心剣と対峙した時、幻の中、現れる。
雷夢殺との出会いは、百里東君と共に剣心塚に来た雷夢殺と戦って負け、以降、雷夢殺と共に江湖を旅したいと李素王に強請り続けたから。
江湖の女性はどこかみな、行動が似通っている…(笑)
薬王谷
神医 華錦

辛百草の弟子。卓越した技術を持ち、文献等、一目見たら忘れない。それでも師兄、司空長風が医術に専念していたら、自分より腕が良かったはずだと言う。蓬莱島の仙人に憧れている。
剣心塚で薬草の採取をしつつ修行していた時、暗河に狙われ、雷無桀と司空千落に流転の陣で内力を渡して倒れた蕭瑟に治療を施す。蕭瑟が発つ際、死に瀕した者の命を3日延ばす薬を渡す。
再度流転の術で倒れた蕭瑟は、この三日丸を司空千落に投与された。命の期限は伸びたが、逆に3日過ぎれば死ぬため、急いで駆けつける途中出会った、蘭月侯に送られる。
蘭月侯に迎えられて皇帝の治療に携わり、蕭瑟と皇帝にも頼まれて白王の目を治療する。治療と利益は別、父も弟も情義で白王の治療を望んでいることを、沐春風を介して伝える。手術の日、薬人無心に狙われるが、直前に自ら鍼を施し、大事には至らなかった。
皇帝からの信頼は篤く、まるでじいちゃんと孫娘(笑)李素王にも可愛がられてたしね。
鬼医 夜鴉(薬王谷追放済)

奇怪な医術を使い、人体実験で秘術を研究して師門を追放になった。何年も前に死んだとされていたが生きており、長年赤王に保護され、薬人を作る研究をしていた。赤王の指示で、皇帝と宣妃に毒を盛る。
華錦がいくら治療しても、突然具合が悪くなる皇帝を見て、毒の可能性に気付いたが、痕跡が残っていなかった。薬王谷の弟子に対抗できるのは薬王谷だけという辛百草の言葉を思い出した蕭瑟は、それが夜鴉の仕業だと確信する。
その頃、宣妃の毒をその身に受けた無心は、夜鴉の元で薬人にされていた。
赤王自害後、処刑される。
その他
忘憂大師

寒水寺の大師。
于師国、大梵音寺で生まれ、6才で摩訶尊者に真理を説き、修行のため各地を転々とし、40才で既に禅道の大家と呼ばれ、寒水寺の住職となった。人と心を通わせることに秀でており、目を合わせるだけで罪を自覚させることができ、内面から人を救おうとした人。
預かっていた無心を断固守っていたが、魔教再興を恐れ、無心を差し出せと迫る声は年々激化し、精神的に追い詰められていた。
死後、体は消滅し、舎利だけを残した。無心は、故郷に帰りたがっていた大師の舎利を、于師国に持ち帰ろうとし、蕭瑟、雷無桀を同行させた。
蕭瑟の師匠、姫若風もまた、大師が故郷に帰りたいと願っていたことを知っていた。
大梵音寺の法会で、無心の前に魂が現れる。
「蓮花楼」でも舎利と呼ばれる光る珠が登場しました。こちらでもソレです。
舎利は遺骨じゃないのかと思っていたんですが、こちらを読んで納得。宝珠と見做されたりした、と。
冥侯

金巨刀(きんきょとう)という武器を持つ月姫とコンビの刺客。暗河以外の無所属刺客としては最高の腕前。
13年前滅ぼされた望衣楼の楼主、謝柳衣の息子。襲撃当時の記憶を無くし、天泉老人の門下に入って刺客となった。
当時の記憶を知りたくて、棺の中の無心を狙っており、無事に無心から心魔引の術で過去を見せて貰ったことで、退いていく。
どうやら敵は天泉老人だったらしく、敵討ちをして深手を負い、月姫に救出される。
赤王と繋がっていた薬王谷を追放された夜鴉の術で薬人にされてしまった後、しばし無心と共に動く。薬人としてはコントロール不全だったらしい。その後、寒水寺の無禅に預けられ、伏魔神通を学ぶ。
月姫

束衣剣を持つ冥侯とコンビの刺客。
冥侯と共に捕らえられ、先に冥侯が薬人にされた。薬人としては不完全だった冥侯の失敗を受け、愛する冥侯の血を使って、完全コントロール下の薬人となっていたが、薬人として暴れることはなく救われる。
儒剣仙、謝宣

李寒衣には本の虫と呼ばれる、医術等様々な知識を持つ剣仙。
蕭楚河の学堂時代の恩師でもある。
蕭瑟の体調に頭を抱えた司空長風から呼び出され、雪月城の宴にやって来るが、蕭瑟を観察し琴の音を聞き、司空長風の望みは叶うと言う。
風流を好み飄々としており、雪月城には賭け事の好きな美女(尹落霞)と怒りっぽい美女(李寒衣)がいると笑う。李寒衣とは犬猿の仲。
その際、葉若依、雷無桀、唐蓮、蕭瑟、司空千落にそれぞれ今後に役立つ書物を与えた。ピンチの時にひょっこり出て来るお助けマン。
趙玉真事件以降、心魔に囚われ暗河を狙う李寒衣を追って雷門に着き、全員傷だらけの少年達を治療する。無心と共に蕭瑟の治療もするが手に追えず、華錦が加入してなんとか死は免れた。真に救うには蓬莱島の仙人の力が必要だと進言した。
怒剣仙、顔戦天

白王に命を助けられ、師匠になった。手にする剣、破軍は、剣譜5位。
蕭瑟が、自分の武芸を封じたのが白王派ならこの人と疑っていた。
唐門から逃げた唐蓮、葉若依、無心の前に現れる。どうやら、白王と結んだと誤解していた唐大長老から呼ばれて向かう途中、遭遇した模様。
昔、葉鼎之と戦わなかったことを悔いていて、唐蓮と葉若依が逃げた後、残った無心と戦うも、逃げられる。
白王は、唐門雷門の決裂を防ぐため、唐門への伝言を頼んだが、無心を狙ったりしたせいか間に合わず、全て終わっていた。伝言は、裏にいるのは自分ではないってことだったかもしれない。
李寒衣を治そうとする謝宣に、いいように扱われたり、蕭瑟の天啓入りの際は、白王の意志で阻止ではなく、友人たちが蕭瑟を守ろうとしていることだけ伝言しに来たりする。腕が立ち顔が怖いだけで、白王ラブ(^m^)
天啓に入った洛青陽に、最初に挑戦する。
沐春風

大富豪、青州沐家の三男。雪松長船という船を持ち、兄の治療薬になる蛇探しに向かうところ、蕭瑟たちに会い、蓬莱島への途中まで一行を乗せていく。船には、唐蓮に危険から遠ざけようとされた司空千落や、観星術師として葉若依も同船していた。
医術を学んでいたため、蕭瑟の死期が近いことも見抜く。ただの金持ちボンではなく、勉強家で知識も豊富だが、家業ではなく医術を収めたいと望み神医に憧れていた。蕭瑟の正体を知り、尊敬していたと大喜びする。琅琊王の冤罪も信じており、唐蓮が謝宣に貰った酒経の価値も知っていた。金縷衣という刃を通さない宝の鎧と、十大名剣のひとつ、動千山を持つ。
蕭瑟天啓入りの際も、赤王の庇護の元にあった四大商家を動かした。その後、華錦の弟子となり、年若いため言葉に纏められない華錦の考えを、分かり易く相手に伝えたりする。お陰で白王の目が覚めた。
蕭瑟の屋敷で会った姫雪に一目惚れ。このドラマ、一目惚れが多いな(^m^)
莫衣

蓬莱島に引き籠っている仙人。国師、斉天塵の師弟。
仙人の5つの仙位、天仙、神仙、地仙、人仙、鬼仙のうち、地仙の地位にあり、60代でも若々しい。
自分を助けて亡くなった妹を生き返らせたいという心魔に囚われ、魔道に堕ちて百里東君を幽閉していた。蕭瑟が体を治すために蓬莱島に辿り着き、唐蓮に助けられた百里東君、陣で飛んで来た斉天塵、無心から伝授された雷無桀の伏魔神通、蕭瑟の心魔引で、魔道から救う。
蕭瑟と葉若依を治療した後、長い休息に入り、蓬莱島は百里東君が後を守ることになる。
砕空刀 王人孫

于師国、大梵音寺に身を寄せていた剣客。葉鼎之の親友だったが、12年前、魔教東征の最後の戦で裏切ったことになっており、葉鼎之は自害していた。裏切りの事情は明かされないが、そこには何かがあった模様。
無心が来たら、刀を差し出すと決めていたが、忘憂大師の言葉を思い出した無心は、王人孫を殺さず、忘憂大師の出生地である大梵音寺で、大師の法会を開かせた。
法会後、無心が大覚に襲われている間に、唐蓮、無禅、司空千落の前に現れる。大覚を、人の門派を魔と呼び、責めるばかりで成長がないと言い、言葉の端々で葉鼎之を敬う百里東君や司空長風が、大覚程度の人物だったら、雪月城の繁栄はなかったと告げて、くずぐず唐蓮の背中を押す。
過去に囚われるな、自分達の江湖を持て、なんてカッコいいことを言って、12年前のことは何も語らない。
傅恒興(ふこうきょう)

南訣太子の侍衛。
赤王と密会するため、慕涼城近くの林の中にいたところ、フラフラしていた雷無桀に立ち聞きされ、雷無桀を捕える。
以前、南訣太子は、千金台という賭博場で蕭楚河に負け、都城を取られたことがあるらしく、傅恒興も蕭瑟の顔を覚えていた。無心に撃退されて撤収。
あと、南訣の名前が意味を持って出て来るのは、終盤、赤王が連絡して国境を攻めさせた時くらいかな。
段家兄弟 段宣易、段宣恒 と、司空千落の婿取り試合

兄、段宣易(だんせんい 右)が司空千落を娶ろうとし、結納品を勝手に贈りつけて申し込んできた。嫌がる千落のため、雪月城を挙げての婿取り試合にまで発展してしまった元凶。
弟、段宣恒(だんせんこう 左)は雪月城の弟子の1人らしい。
武芸は、弟は落明軒に勝てない程度、兄は唐蓮に勝てない程度。
実際に試合では落明軒が弟に勝ったが、剣先に毒を仕込んでおり、直後の兄との試合で、落明軒は負けた。
だが兄も、雷無桀と唐蓮の武器を渡されていた蕭瑟の踏雲に負ける。
最後に勝ち上がった相手が千落と戦う予定だったが、蕭瑟は不戦敗を選択。八百長だと怒った段家と乱闘になったのを、蕭瑟の確認に赴いていた白王に収められる。
屠二

賭博場、千金台の主。
蕭瑟は、蕭楚河時代からよく出向いて懇意にしていた。天啓帰還にあたり、大掛かりな宴の開催場所の依頼を受ける。見返りは雪落山荘。蕭瑟は寂れた宿のほうを与えるつもりでいたが、屠二は天啓にある蕭楚河の別宅だと理解した。その誤解は蕭瑟の策略。
蕭瑟は千金台で、自身の帰還の宴の招待状を有力者に配布し、結果的にそれを唐蓮の葬儀にしてしまった。
終盤、はた迷惑な孤剣仙、洛青陽に籠城されちゃった時は、思わずこの方の顔が浮かびました。ご愁傷様デス。損害賠償請求しようや。
九九道

天啓の東西と南北の9条、計81の通りで勢力を誇る、街の元締め的人物。高官や大商家が関与しない、いわゆる裏稼業のボスで情報通。
下働きだった頃、蕭楚河に助けられ、今では九流門派の連盟、三門十九府を率いる大掌櫃(だいしょうき)と呼ばれるほどになっていた。そのため、九流門派は白王寄りだったが、蕭瑟帰還の宴には、危険を顧みず弟子を引き連れて一番に駆け付けた。
恩義に報いるいい人だったのに、宴の後、赤王の命を受けた暗河に、見せしめのため、暗殺されてしまう。
前五大監の生き残り 濁心

明徳帝の即位当時、龍封巻軸を隠したのは、先帝時代権勢を誇った濁清大監らしい。先帝の死後皇陵の守り人となるのが耐えがたく、政変を企んだ模様。琅琊王事件の一月後、皇陵で濁清は没している。その後、皇陵にいた濁心が龍封巻軸を手にした。
蕭淩塵と葉嘯鷹の天啓侵攻と共に、瑾言に連れられて龍封巻軸を持ち、皇宮にやって来る。
龍封巻軸に蕭若風の名前があるのを確認した蕭淩塵は、巻軸を破壊して槍で濁心の胸を一突きにし、我ら蕭家皇族の皇統をこんな宦官ひとりに決めさせぬと叫んだ。
要するに、濁清の謀りを濁心が引き継ぎ、現五大監が振り回された形?人騒がせな。
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作品情報
- 制作 2022年発表 全40話 优酷
- 原題 「少年歌行」
- 原作 「少年歌行」周木楠
- 監督 尹濤(黒豊と白夕~天下を守る恋人たち~)
- 脚本 周木楠

人物相関図

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