あらすじ
絶命した林朝東の前ですべてを自供した妓女・馮清姿(ふうせいし)は自害してしまう。事件の手がかりを失った唐泛は、上司である潘賓に林朝東を捕縛したと嘘の報告をして、真犯人をおびき出す計画を思いつく。その夜、隋州たちが待ち構える北鎮撫司の牢に襲撃者たちが現れる。騙されたと知った襲撃者が逃げ出す際に落としていった刀を拾うと、それは倭刀だった。汪植に頼んで海防文書を調べ始めた唐泛は、過去の記録に、ある人物の名前を見つける。
成化十四年~都に咲く秘密~ 公式サイトより
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ネタバレ感想
鄭誠も鄭誠だけど、歓意楼の女将も随分なモンですなー。
ま、生半可な人ではあんな大きな妓楼の切り盛りはできない訳で、普通の人が真正面から太刀打ち出来る相手ではないんでしょうけど。進退窮まって、もう心中しようって時に、武安侯の次男に声をかけられちゃったんですね、林朝東。
馮清姿に、隋州がすごくお役人っぽいことを言いました。生死も罪人の自由ではない、法の裁きを、みたいな感じのこと。
隋州のベースにあるのはかなりコレなんですよね。厳然とそこにある。明国の法に基づいてみたいなセリフも確か後にも何度か出てきます。間違いではないよ、決して。立場としても役目としても隋州はそれでいい、多分。
でも文官である唐泛の言葉の「心が死んだのに、抜け殻のまま生きて何になる」のほうがね。そこにいた他の誰もが微動だにしなかったのは、他に馮清姿を救える道はないことが分かっているからでしょ。気圧されてた人もいたかもしれないけど。でも、こうなった人を収監しても死罪にしても、懲罰という点でも意味がない。法の前に人。隋州とは真逆の視点。
東さんの店。テーブルを分けて座る唐泛と錦衣衛コンビ。まんまお通夜ですね。馮清姿を捕えずに死なせた件で、ちょびっと仲違いしてるんだろか?唐泛ちょっと怒った顔してるね。
そういえばシュエリン(薛凌)、矢傷作ってましたよね。大丈夫?だいじょぶそうだな。
そこにやって来たのは順天府の長、潘賓(はんひん)。この人の使われ方よっ。仕方ないけどねえ。日和見のスピーカータイプかあ。
素直に事実を言おうとする隋州の言葉を、唐泛は途中で遮り、結果は上々と伝えます。なんか閃いたんだなと、隋州も合わせました。最初は黙って左右に目が動いていたのが可愛かったけども。
めっちゃ微妙な雰囲気だったところ、東姉さんの「ふぅふぅ」が華麗にぶち壊してくれましたよ。薛凌まで真似して、ぺしっとされてるのが可愛かったな。叩く瞬間の隋州の顔も良い。
さっそく潘賓が目論見通りに動き、武安侯府に赴いて、犯人を捕らえ北鎮撫司の牢に入れたと喋ります。武安侯と次男が、唐泛の策にハマった瞬間でした。
現場にいたい唐泛と、足手まといは遠ざけておきたい隋州。
確かに唐泛の作戦ではあるものの、一矢で確実に林朝東を仕留めた暗殺部隊をおびき出した場所に、威勢だけはいいけど人の後ろに隠れるだけの戦闘力ゼロを置いとけないよ。そんなヤワな暗殺組織じゃなんだよー。ってことで、牢の中にイン。当然でしょうな。
確か初回視聴時、あたくしここら辺の唐泛のキャンキャン吠えに、
もーリタイアしようかなあと思ったんでした。まーめんどくせー(笑)
そして囮役はやっぱり賈逵(かき)ですね。うってつけ。
果たしてその晩、暗殺部隊は現れました。
賈逵が1人を捕まえたところで、黙って見てりゃいいのに隣の牢で声高に自慢する人な…
コイツの策かよっとなったかどうか分かりませんけど、あっという間に唐泛、人質。だから言わんこっちゃないんだよ、おまえはっと、どんだけ言いたかったか、あたしがっ。隋州の邪魔すんじゃないわよぉっ! ←
東ねーさん並み…
「ダマサレタ」「サキニイケ」って、やっぱりこうして聞くと日本語のたどたどしさって分かりますね。イントネーションかな。紳士探偵Lで出てきた日本語も同じ感じでした。
唐泛は無事に突き飛ばされ、暗殺者2人は逃がしましたが、彼らの武器、日本刀が残されていました。
自宅で唐泛は、更に大家さんちの事情が複雑化していることを冬児から聞かされてます。
そこへ大騒ぎでやってきたのは、ドゥルラとなぜか山羊を抱えたウユンプラガ。ドゥルラって乱暴で、思い込みも激しいねえ。いきなり唐泛を蹴り飛ばしたわ。冬児は笑いながらお菓子を抱えて、傍らで見物を決め込みましたよ。
オイラト語しかできないドゥルラの通訳はウユンプラガ。何気に有能。
そうか、抱えてる山羊は一応お礼の品なんだ。
朝方、逃げる際に拝借した外套は、ドゥルラの大切なものだったらしい。返さないばかりか破いたと怒るドゥルラ、唐泛の腰にぶら下げていた箸箱を奪って折るぞと凄み、大騒ぎです。
そこにひょっこりやって来た隋州。様子を見て軽く手を挙げ、ちゃんと門を閉めて帰ろうとします。
か、かわいいっ。
基本この人は無表情なのに、妙にかわいいんですよぅ、こういうとこ。
騒ぎは順天府に。
隋州が、一部始終を見ていた冬児に説明を乞うと、冬児はその類まれなる記憶力を発揮して、身振り手振り込みで事細かに証言します。理解できないはずのオイラト語の内容まで推測できる冬児に、みんな唖然。天才の片鱗を見たっ。
ひとまず外套と箸箱は順天府が押収して、話は一旦先送り。ドゥルラとウユンプラガは渋々帰っていきました。帰り際のフンッが腹立つわー、ドゥルラ。
唐泛は汪植に海防文書の閲覧を頼みます。景泰元年からというのは、成化の前の前の元号からってことですね。そして見つけた、武安侯府と日本との繋がり。
汪植の馬車で一緒に帰る途中、馬車は何者かに襲われます。唐泛、目が点になってましたね。未だ、どれだけ危険なことに首突っ込んでるのか分かってなかったのか?牢でもあわやって目に遭ってるのに。
その晩、武安侯府では鄭誠の出棺が予定されました。証拠隠滅をしたくて急いでますね。出棺のために扉を開けた武安侯府、正面には唐泛を伴った錦衣衛が待ち構えてます。武安侯は王族に連なるものだから、最後の最後までは追い詰めない、そんな読みだったのでしょうが、隋州は違うからね。そこは唐泛も一緒ですしね。汪植もやって参りました。
そもそも最初は武安侯の次男の企てで、父親は知らなかったと。でも鄭誠が跡を継いだら、武安侯府は大変なことになると家を案じてのことだったために、庇わざるを得なかった。あの立派な玉佩は次男のものだったのね。
それにしても、ここで応仁の乱が出てくるとは思いませんでした。
思わず忘れ去ってた年号を調べてしまいましたよ。1467年、成化3年。
韓草の遺体を買わなくてはいけなかったのは、その日鄭誠が死ぬとは思いもよらなかった馮清姿が人前で鄭誠と口喧嘩をしていたから。馮清姿が疑われないために。
唐泛の言うように、次男ひとりで出来得ることではなかったとは思いますが、次男は全てを一身に背負って父親を庇い、自害しました。
まあ、身勝手っちゃあ身勝手なやりようでしたけど、そもそもだよ。そもそもそんなボンクラで性格の悪い息子を育ててしまった武安侯にも、大きな責任があるのではないでしょうか。環境なのか質なのか分かりませんけど、犯罪を企てたとはいえ、次男はまだ家のことを考えることのできる人ではあった訳で。だからこそ余計に、庶子だった次男には我慢がならなかったのかもしれないけど。
皇帝は武安侯府の鄭英(ていえい)の処罰は見送ることにしたようです。
北鎮撫司の牢から出され放免されたのは賈逵でした。門前で待っていたのは汪植。こういう目の付けられ方でしたか。これは逃げられないわ。汪植がめっちゃ強い手駒を手に入れた。
そして隋州は百戸、正六品に昇進、片や唐泛は何もなし。まあね、ちょっと腐るわね。
ここで隋州の更なる出自が明かされます。皇太后の縁者。世の中そういうものだと潘賓。
でも隋州、褒賞の半分を唐泛の元に渡しに来るような律儀な人なんですよねえ。
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