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日曜の夜、3週連続で不審火による火災が発生します。
消防署長と共に記者会見をした刑事部長は事件性はないと発表しますが、会見会場でそれに噛みつく羅非。メンツを潰されたサボイ刑事部長は怒りますが、不審火ではないと発表した翌週にまた火災が起きれば、逆に警察のメンツは丸つぶれだと言う羅非。うん、その言い分のほうが正しい。
捜査を一任された羅非は小曼と共に火災現場へ向かいます。現場には割れたウォッカの瓶が散乱していました。燃えやすいような窓の開け方、現場調達の強いアルコールという燃料。毎週違う現場に侵入し、警戒もされずに犯行に及ぶ、犯人はかなり狡猾な人物のようです。
こちらもメラメラ燃えちゃっております。
有力情報には金一封という新聞広告を出したため、警察署には大量の情報提供が。うち10件に絞ったものを小曼が調べます。
そのうちのひとつ、新聞の編集者である王積富(ワンジーフー)の家は、あちにちに仕掛けられたトラップや魔除けのお札だらけでした。通報者の夫人は、1件目の火災が起きた時点で、夫は一大事が起きると言い始めたと言います。それが続いたことでさらに警戒し、悪夢を見始め「金(ジン)さんが殺しに来る」と言うようになったと。そんな錯乱で使用人も逃げ、夜眠れない王積富は昼間に仮眠を取っているとのことでしたが、夫人がお茶を入れている間、彼は部屋を観察する小曼にも襲い掛かってきます。
ご主人には警護よりも診察が必要だと言って王積富の家を離れた小曼でしたが、帰り道、道端で胡散臭い占い師に扮した羅非に遭遇。めっさ似合うな、この占い師姿。
王夫人の情報に興味を持った羅非ですが、王夫人は夫に内緒で警察に届け出ています。正面から当たっても無理だと思い、占い師として既に王積富の家を訪問していました。羅非は、王積富宅にあった怪しげなものは放火犯を生け捕るためのトラップと、精神的な怯えのために神仏に縋った迷信グッズで、彼の思考は正常だとも言います。
要するに、王積富は事件と関係があり、何かを隠しているってことですね。
張り込み中、小曼は羅非に解決できなかった事件はあるのかと聞きました。あるよ、人間だもの、な羅非、10年前のダイヤ盗難事件、8年前の失踪事件、誘拐事件、先月の小鹿(シャオルー)殺害の犯人と立て続けに。
王積富宅近くで張り込む二人の前を、夫婦ゲンカで出ていく王夫人が通ります。王積富が夫人を巻き込まないためだと羅非。次の放火があるのならば今夜、いよいよ王積富は危険を感じているってことでしょう。
消灯を怖がっていたはずの王積富が、ひとりになった途端、消灯したことで慌てて駆けつける2人ですが、王積富は襲われて負傷していました。後を追う小曼。あああ、後から見ればこの時点でこれっだけ分かり易い…いや、なんでもないっす。
犯人は映画館の入り口にアンプルを落としますが、映画館から出てくる客に踏まれてしまいます。指紋は取れなかったものの、アンプルの中身は新型の強力な鎮静剤TSDだと分かります。過剰な投与により幻覚剤にも自白剤にもなり、ドイツのエドワード社製のそれは良く効くものの高価なために、扱うのは個人診療所だけだとベンジャミン。
アンプルの欠片に残っていたロットナンバーから販売経路を追うと、納品先は心療内科医、霍文斯(フオウェンスー)の診療所でした。霍先生の元に向かう羅非と小曼ですが、診療所に入る前からもう羅非は既に霍先生自身を疑っていて、小曼は霍先生が処方した患者を疑ってますね。ですが霍先生にはアリバイがありました。犯行時刻の昨夜10時、重度の不眠症で毎週日曜の夜に来る公董局の馬(マー)氏の診察をしています。
霍先生が処方しているTSD、需要参考人であることは違いないという羅非を信じられないって顔で見る小曼ですが、捜査に協力をとお願いし、持ち出さないことを条件にカルテを見せて貰います。
霍先生、催眠治療もしてるのか。ますます怪しいじゃないかと思ってる間に、催眠治療の話をしている霍先生と小曼の隣で羅非が見ているカルテ、ナンバーが飛んでいました。07382、07384。
TSDを処方した12人のうち、3人を絞り出し、帰ろうとする羅非を霍先生が呼び止めます。
2日後舞踏会に招待されている、小曼を同伴したい。
直接誘いにくいから、羅非から伝えて欲しい。
あのさー、霍先生、アナタ自分で誘えない人じゃないでしょーよー。
それ、ある意味墓穴じゃないのぅ?
なんだけど羅非、小曼に霍先生をどう思う?なんて聞いちゃってますよ。賢くて人当たりがいいと言われて、わかりやすーく目が泳ぐ、医者ならおかしなふるまいはしないだろうとか言ってるよ。
あれ?疑ってるんじゃないの?まだ嫌いなだけレベル?んー?
さて、容疑者となる3人の患者。
化学薬品に精通していて被害妄想の症状のある華通(ファトン)大学化学科の助教授、陳順昌(チェンシュンチャン)は化学実験室でボヤ騒ぎを起こしていました。アリバイを訪ねるも公開前の映画のタイトルを言ったり、逃げようとして組織が雇った殺し屋か?と言ったり。
夢遊病者の消防隊員、杜金保(ドゥジンバオ)は、非番の日、眠ったまま火災現場まで歩き、ケガをしながら5人を救助して表彰されていました。
妄想性障害を持つフランス帰りの画家、江城(ジャンチョン)は、怪しげな火の絵ばかり描いています。日曜の10時、彼は火の絵を描く啓示を受けるために路上にいたと言います。
全員が精神疾患を持ちますが、放火をする明確な動機はありません。
警察は3人を見張り、羅非は被害者のほうの共通点探しを始めました。そして金曜、なぜか金庫を取り寄せて鍵開けを試す羅非ね。
そういえば、ここ数日の小曼への突き放すような態度は例の舞踏会絡みですかね。てか月曜に2日後ってとっくに終わってない?行ったの?行かなかったの?
次の犯行が起きそうな日曜、退院した王積富は、お札に囲まれて放心状態。
容疑者達は見張られながら、それぞれ怪しげな行動でボケ倒して?いる中、消防隊員の杜金保の部屋から灯油と木綿、壁には火災現場と王積富の家、映画館に印のついた地図が見つかります。見つけたのは葉刑事だったので、ま、そうですよね、誘導されて映画館を包囲となりますね。王積富の家の見張りも映画館のほうに駆り出されてしまい、まんまと王積富の家は放火されてしまいます。
火の中で笑う王積富を助けようとした小曼は、そこにいた消防隊員の杜金保に助けられます。夢遊病の杜金保はフラフラ夜道を歩いていましたが、火を見ると正気に戻るの?あ、目が覚めるのか。
逮捕された杜金保は、大火の消火活動中に亡くなった英雄消防士の息子でしたが、本人は火に強い恐怖心を持っていました。周囲の期待が失望に変わっていく中、精神的に追い詰められ夢遊病になっていることに気づいて霍先生の元を訪ね、催眠療法を受けています。夢遊病で動いている間のことは何も覚えておらず、5人を救助した火事の日も、家に戻ると自分の部屋に灯油と木綿があることに気づきますが、自首するのが怖かったと言います。
解決したように見えた放火事件ですが、羅非は杜金保が犯人ではないとみていました。
被害者の共通点を探していた羅非でしたが、過去を調べていたようです。王積富を含めて、4件とも被害者のひとりは10年前に仕事を辞め、更に引越しをして住所も変えていました。
- 公董局の高官、趙大同(チャオダートン)
10年前は査利(チャーリー)洋行の部長 - 新南洋機械工場の技師、方礼斌(ファンリービン)
10年前は永和機密機械工場 - 大世界警備の部長、鄭遠(ジュンユエン)
10年前は匯旗(フイチー)銀行の警備 - 新林新聞社会部の編集者、王積富(ワンジーフー)
10年前は匯旗銀行の部長
ああ、ここに羅非が言ってた未解決事件が繋がるのか。10年前のダイヤ盗難事件。
査利(チャーリー)洋行のチャーリー金(ジン)は、闇取引をするため全財産をダイヤモンドに換え、匯旗銀行の貸金庫に預けましたが、翌日ダイヤは消えており、精神を病んだチャーリー金はオフィスに火をつけ自殺したという迷宮入りの事件でした。ダイヤモンドは未だ見つかっていないってことね。
当時の査利洋行の部長、匯旗銀行の部長と警備、そして金庫に詳しい技師が揃っています。王積富は「金さんが殺しに来る」と言ってましたよね。4人は事件の犯人、だから火なんですね。
そして今回の放火事件の犯人の目的は多分行方の分からないこのダイヤモンド、放火事件を解決するには10年前の事件を調べ直さなくてはいけないということです。
それにしても羅非、金庫取り寄せて鍵開け試してたの、随分前だったなあ。
そして朝も早いの。小曼よく寝起きを叩き起こされてます。
翌朝、羅非と小曼は匯旗銀行に向かい、貸金庫を借りて盗難事件の再検証をします。
10年前。
終業直前の銀行へ、査利洋行の部長、趙大同(チャオダートン)と例のダイヤモンドが入った手提げ金庫を手にしたチャーリー金(ジン)が現れます。
験を担ぐチャーリー金の性格を知っている趙大同は、縁起がいいとして168番の金庫を勧め、彼もそれを選びます。違うナンバーを選べば盗難事件は起きなかったと言う羅非。だいたいのトリックが掴めているようです。既に金庫になんらかの仕掛けがあったということですね。
最先端の防犯装置付きで、過去誰にも破られたことのないK社の金庫を研究して10年だと言う羅非。あの夜、金庫をガシガシしていたけど、それ以前からこの銀行の使っている金庫を調べ尽くしていた訳ですか。爆発させても開かなかったのね、あの時。
- 金庫には規定の暗唱番号があり、入庫してから10分の間に利用者が番号を変更する仕組み。
- その日、チャーリー金、趙大同、匯旗銀行の王積富は一緒に金庫に入った。
- 168番に誘導するつもりなら予め合鍵を作っておけるが、金の設定する暗証番号は分からない。暗証番号の再設定時、銀行員の王積富は退出し、趙大同も斜め後ろで背を向けていた。
- 更に手提げ金庫はアメリカ製のこちらも最新の防犯機能付き、少しでも揺れれば警報が鳴るもので、金庫に入れた後、金はそのスイッチも作動させている。
それなのに翌朝、王積富が貸金庫室を確認すると、168番の金庫の扉は開いており中身はカラでした。王積富は警報装置を作動させ銀行は封鎖、すぐに警察も到着、その間誰も銀行からは出ていませんが、誰からもダイヤも手がかりも発見されませんでした。
金庫を調べ尽くした羅非は、扉を閉めてしまえば世界一安全なこの金庫も、扉自体の作り自体は簡単なもので、鍵の取り外しも専門知識のある人間にならば可能であることを突き止めていました。
4人の中に機械工場の技師がいましたよね、方礼斌(ファンリービン)です。チャーリー金が金庫を利用する前夜、方礼斌が錠を自作のものに交換するのを助けたのが、警備員の鄭遠(ジュンユエン)。チャーリー金が暗証番号を何にしようと、金庫は開けられる状態となっていました。方礼斌は王積富の部屋に朝まで隠れ、銀行が開いた朝に客に紛れて外に出たようです。
では、揺れると作動する手提げ金庫の防犯装置は?となりますよね。
警報装置の解除には暗証番号が必要、そして設計図はアメリカ。詰んでます、が。
いきなり閃いた羅非、時間ですと催促に来た銀行員に抱き着いて飛び出しましたよ。
杜金保が犯人ってところで止まっている刑事部長に羅非は、真犯人はまだ分からないが27日後に必ず連れてくると宣言します。
さて、27日後。167番の鍵を持った人物が銀行に現れました。
銀行の協力で入り込んでいた羅非と小曼がそこで出会ったのは、やっぱりな、霍先生っ!や、ここで来るとは思いませんでしたけども。割と早いなと。
相変わらずのポーカーフェイスの羅非とびっくり目玉の小曼です。
方礼斌(ファンリービン)が細工したのは錠だけではなく、貸金庫の扉についているナンバープレートもでした。168番だと思って借りた金庫は本当は167番。そして手提げ金庫の防犯装置の電池の寿命は10年。ダイヤは10年間ずっと、167番の金庫の中にあったのです。
ここちょっと複雑だったのでまとめます。
167番は事前に彼らが借りており、前夜の作業で、168番の鍵と規定の暗証番号で167番も開くように細工されていました。そしてチャーリー金が来る直前にも貸金庫に入って、プレートをずらしておきます。チャーリー金が168番の鍵で167番を開けたのは、銀行の終業直前。後の利用客はおらず、プレートのズレは誰にも知られず、銀行が閉まってからナンバープレートと錠を元に戻したと。
167番の金庫の契約期間は10年間、契約満了日まで解錠は禁ずるとの但し書き付き。
その満了日が27日後だった訳か。
めんどくさいこと、よく考えましたね。てか難解な事件を起こす人って頭いいよね…
ここで前にチラリと映ったカルテ番号の飛び番号が利いてきます。例えばそれが趙大同で、催眠治療の際に10年前の秘密を話し出したら。催眠療法は万能ではありませんが、自白剤にもなる鎮静剤TSDを使えば、霍先生なら秘密を口にさせることも可能でしょう。共犯者も突き止め、それぞれが2桁ずつ覚えていた暗証番号の数字を自白させてから放火して殺したんですね。残るは新聞社勤務で仲間が次々死んでいることを知り、精神的に追い詰められていた王積富でした。
アリバイとなっていた毎週日曜の夜に来る公董局の馬天利(マーティエンリー)の件ですが、治療が終わるのは22時。でも催眠療法ですから、寝ている間に時計の針をずらして患者に勘違いさせることなど、簡単だったでしょうね。
霍先生は逃げ出しますが、銀行は既に包囲されていました。
番外編、字幕が関西弁て。
「羅非」
「なんや」
のっけこれがぴったりで笑ってしまいましたよ。
方言の多い中国らしいので、どこかの方言でセリフ言ってたんでしょうかねー。
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