あらすじ
四季山荘の荘主で晋(しん)王の特務機関・天窗の首領、周子舒(ジョウ・ズーシュー)が節度使の一族を抹殺すべく屋敷を襲撃。娘・静安(ジンアン)郡主には自害のための毒を渡すが、彼女が師弟・秦九霄(チン・ジウシアオ)の恋人だったと知る。実は周子舒は1年半前に秦九霄を亡くした時、己の野心のために天窗を利用する晋王と縁を切ると決意し体に釘を打ち込む極刑を自らに課していた…。
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ネタバレ感想
冒頭、20年前の出来事から現在の状況が、ざっと語られます。
「鎮魂」もそうだったのですが、チラチラ画面を見ながら字幕を読むのに忙しくて、なんだか頭に入らなかったので、まず補足を入れて、まとめてみます。あ、舞台はほぼ「江湖」です。
20年前、青崖山(せいがいさん)で、大魔王と称される容炫(ロンシュエン)が、五湖盟(ごこめい)と英雄達によって討伐された。
容炫は、一夜にして無敵になれるという武庫を残しており、その扉を開けるためには瑠璃甲(るりこう)と呼ばれる鍵が必要だった。瑠璃甲は五湖盟によって密かに5つに割られ、抜け駆けせぬよう争わぬよう、ひいては江湖全体の平和のために、秘密裏に保管されていた。
ところが突然、この瑠璃甲にまつわる童謡が子供達の間に広まってしまう。各勢力は武庫を狙い、瑠璃甲を巡って争い始めた。それに、北方を拠点としている晋王も参戦、配下の特務機関、天窗(てんそう)を使って謀を巡らせている。
という、これからいろいろ起きそうですよねって、きな臭い状況です。
容炫の残した武庫に収められているお宝の噂は本当なのか。一夜にして無敵って一体なんなのか。瑠璃甲は今どこにあるのか。大魔王容炫って何者さ?などなど。
最初から知りたいことたくさんなのですが、物語が始まると、ナントカ派のおじさん達がわらわらと登場して、咀嚼にいっぱいいっぱいになります(^m^)
そんな時は、上記、登場人物一覧も参考にして頂ければ幸いです。あ、最初に容炫入れ忘れた。後で追加しておきます。
夜間の節度使府。
突然上がった天灯を見て警戒する警備の兵達。
屋根の上には、天灯を背景に黒ずくめの人物が立ちました。射かけた矢は天灯に当たり、落下して燃えた天灯からも黒ずくめの兵達が刀を振りかぶって飛び出します。
ここら辺、とっても映像に力入っていて、ビジュアルが非常に美しいんですよねー。
節度使の李さんは、晋王の謀反を告発しようと上奏文みたいなのかな、書いているところでした。襲撃してきた黒ずくめの集団は天窗(てんそう)。まさに告発文の中に書いた、晋王の特務機関です。
屋根の上に逃げた李節度使を待っていたのは、周子舒(ジョウズーシュウ)、天窗の首領でした。李節度使とも面識はあったようですが、天窗の首領というのは秘密ですよね。
周子舒は李節度使を殺害して告発を阻止、次に室内にいた節度使の娘、静安(ジンアン)郡主の元に向かい、自害用の毒を手渡します。
静安郡主は、周子舒の師弟、秦九霄(チンジウシアオ)が亡くなった時、混乱の中、遺体を運んできてくれた恩のある人物のようです。でも、晋王告発の逆臣は一家根絶だってか。
天窗に狙われたら終わりっていうのは、周知の事実なんでしょうね。
郡主は、めっちゃ潔く毒を煽るのですが、彼女が直前に見ていた木彫りの簪、そしてそれを大切そうに手にして秦九霄のことを話す姿を見て、周子舒はようやく気付くのですよ。彼女は、亡くなった師弟、秦九霄の大切な人であったことに。
更に、周子舒の四季山荘時代からの仲間である畢長風(ビーチャンフォン)が、天窗を裏切って脱退したいらしいことで、晋王から手を下せとの命も入っていました。
四季山荘の荘主として、81人の仲間と共に晋王に下り、天窗を作ったのは周子舒。畢長風は、四季山荘仲間の最後の1人でした。後はみな、既に亡くなってしまってます。
天窗を作った時に決めた掟は、秘密を守るため、生きて出ることは許されない。
脱退するには七竅三秋釘(しちきょうさんしゅうてい)という、体に7本の釘を打つことで武功も失くし、五感も失くし、生きる屍となって3年後の死を待つのみの刑を受けなければなりません。畢長風はそれを自ら望みました。これ以上、晋王の言いなりになって殺戮を繰り返すよりマシだと。
四季山荘の仲間達も、戦死だけでなく、迫害されたりして次々亡くなっていたんですね。
そりゃ、疑念も沸くし、この時点で周子舒がまだ、私に従うより云々言ってるので、周子舒への信頼も失せますよ。他の部下達もこの場にはいるから、立場上、それしか言えないんでしょうが。
首領といっても、どうも晋王って鬼上司のいる中間管理職めいてるよねえ。命に逆らえないのでしょ?まだ青い少年のうちに、絡めとられたのだろうけど。
でもどこかで、七竅三秋釘は自分が作ったって言ってたから、そんな恐怖を煽って縛り付けようとする怖い掟を、自ら作ってるんですよね、この人は。大義のために突き進む晋王の、汚れ仕事を一手に引き受けて、この乱世に光をもたらす天窓(窗)、みたいな理想と覚悟があったのだろうと、思うには思いますが。
だとしたら、晋王って人を見誤りましたよね。80人も亡くすまで10年間も、それに全然気付かなかったってこともないと思うし。
とはいえ、戻れぬ修羅の道か。
荘主にも事情がある、恨みはせぬって言う畢長風、できた人です。
四季山荘の最後の仲間も失った周子舒。
天窗を作って10年、邁進してきた。天窗の首領は万人の上に立ち、武力を誇り、絶大な力を持つのに、大切な者を誰も守れなかったと、雪の上に血を落として、自嘲してます。
晋王という大きな魔物の前に、打つ手ナシだったってことよね。これ言うと叱られそうなんですけど、要するに力足らずだったんだと思うんですよ。黒さとか狡猾さが足りなかったというか。なのでちょーっとだけ、自分に酔うなって思っちゃったのは否めなかった、ここ。ごめんね、あしゅー。
晋王は、自分に会いに来ない周子舒を訝っています。副首領の段鵬舉(ドワンポンジュー)が、内傷が治らず療養していると答えます。畢長風の前で咳き込んだり、雪の上に血を落としたりしてたのはソレでしょうか。
内傷ってよく出てくるんですけど、武侠の世界では、体内に気を巡らせて、胆力や仙力のベースにして戦ったり飛んだりするので、そういう練り上げた気や、その流れ、核みたいなものを損傷している状態ってことですよね。ぷはぷは血を吐くのもソレ。
秦九霄は1年ちょっと前に亡くなっていて、その悲しみで、周子舒は喀血して昏睡したんだそうで。いや、そこに何かあったのだろう。畢長風への態度を見ても、それだけでそこまで病んだとは思えません。
周子舒は、壁の花の絵をひとつ赤く染めていました。残った白い花はひとつだけ。これ、四季山荘の師弟達の数の花なのかな。亡くなった人の分を赤く塗ってるのか。
こんなふうにひとりひとり数えていたなら、どうしてもっと早く何かしようとしなかった?
無理だったのかなあ。そうなんだろうなあ。
秦九霄が亡くなってから1年半かけて、周子舒は自分に七竅三秋釘を打ってました。三か月に1本ずつ。畢長風のように一気に打たない方法なら、五感は徐々に薄らぐものの、期限までの3年の間は、武功も半分は残せるらしい。激痛に襲われつつも。それが「病んだ」だったのね。
ん?ちょっと待って。この1年半の間にも、四季山荘の師弟で亡くなった人、いるんじゃない?10年で80人なんだから。みすみす死なせてしまいましたか?自分だってもう見限っていたのに。それを言わずに働かせて、無駄死にさせてしまいましたか?
ごめんね、だってあしゅーの責任は、確かにかなりのもんだなって気付いちゃったんだもの。うん、でも分かった、もう言わない。これ、目をつぶらないとドラマ進まないや。
晋王の元に参じた周子舒は、自分に科した七竅三秋釘を見せました。ただ故郷に帰りたい。天窗を抜けますと。
晋王は、ショックを受けてちょっと涙目になってますが、見事だと言ったり、死にたいならここで殺してやると言ったり。一応この人も結構周子舒を頼りにしてたんですね、駒としてかもしれないけどね。それを裏切られた気持ちで、まー取り乱す、取り乱す。
あと数年、命脈を保ちたい、許されぬなら殺してくださいと静かに言う周子舒を、晋王は殺せませんでした。
允行(ユンシン)はいない、景北淵(ジンベイユエン)も去った、余はひとりぼっちだ。
らしいですが、晋王、頼りにしていた部下が死んだり去ったりしたってことかな。で、周子舒、おまえもか、という。
残った部下はこの3人に比べたら、雑魚なんだな、晋王にとって。逆に言えば、それだけデキる人達からは、見放される所業をしているってことなんだよ、アナタが。
でも、晋王は周子舒を見逃し、この3年の間に中原に入り皇帝になってやると宣言しました。自分こそが選ばれた者なんだと証明してやる、裏切ったおまえに見せてやるー!ってヤツね。
傍らで頭を下げていた副首領の段鵬舉は、去り際の晋王に、おまえが首領だと言われます。ぽんじゅー、ちょっとビクビクしながら周子舒に話しかけますが、周子舒はこの人が、実は野心満々の人間だってことを分かっている様子。おめでとうって言ってるわ。
去っていく周子舒を上から眺めながら、晋王は、覚悟しておけ、ひとまず解放しただけだ、って。執着は相当なもんみたい。
でも周子舒も、監視されたり追われたりするのだろうと、分かっていた模様。特殊メイク的な変装を施していました。ちょっと皮膚を浅黒くして、頬に傷つけて、ボサボサ髪で無精ひげの流れ者風に。後で出てくるのですが、この変装術は四季山荘の前荘主に教わったもの。
一方、この山肌の彫刻は青崖山ですね。最初に、容炫(ロンシュエン)が討伐された場所として出て来ましたが、青崖山は鬼谷という組織の本拠地です。あちらで「鬼」って亡霊とか幽霊とかもそう呼んだりするようですが、こちらの鬼谷の鬼は人間です。ただ一般的な人達のコミュニティからは弾かれた存在。弾かれ者の流れ着く先、みたいな場所。変な力を持ってたりもするけど。作ったのが誰だったかみたいなのも、確か後から出て来たような気がします。
なので自分達が正道だと認識している江湖の人達からは、恐れられ忌み嫌われています。
そこで、キィキィ言いながら戦う人々。
鬼のモブ達はみんな仮面をつけてキィキィ言うので、おや?ショッカー?って思っちゃったわよ(^m^)
纏魂糸(てんこんし)という糸を飛ばして戦っていたのは、吊死鬼(ちょうしき)。
吊死鬼は崖から飛び降りて逃げるのですが、それを待ち構えていた赤い袖の人物に、あっさりと首を掴まれ、殺されてしまいました。この大きな手で首を掴む技、覚えとくといいかもしんなーい♪
さて、鬼谷では、裏切り者の吊死鬼を取り逃がしたとして、谷主がゆったりと笑いながら怒っていました。高い場所から飛び降りざまのラリアットで、報告に来たモブ鬼さんは一発でやられます。
で、谷主、んもー、汚れちゃったな…と言わんばかりの、白くて長い指、拭き拭き。
周囲の鬼達の慌て方を見るに、この谷主もかなり冷酷非情の、怖い人のようです。
谷主は「吊死鬼は私の瑠璃甲を盗んだ裏切り者、鬼谷総力を挙げて八つ裂きにしろ。瑠璃甲を取り戻した魑魅魍魎を、十大悪鬼の首領に取り立てる」と言いました。
そこにいた鬼達、前に並んでいるのは十大悪鬼のうち8人なんですけど、唇の青い無常鬼(むじょうき)だけは、みんなと一緒に唱和していません。瑠璃甲って言葉に一番驚いていたので、何か思うことがあるのでしょうか。でも先のシーンを見ると、現十大悪鬼の首領はこの人っぽいので、自分の地位を挿げ替えられるのか?ってショックかもしれません。こういうのは上司を裏切る種になりますわな。
三か月後、春の越州。
お店の二階席で、外を眺めながら優雅にお酒を楽しんでいるのは、温客行(ウェンコーシン)と侍女の顧湘(グーシアン)。顧湘は旦那様と言っていますが、ただの侍女ではなさそうです。主人との距離が近過ぎるので。
その二階席から見下ろせる橋の袂に、変装した周子舒が気持ち良さそうに転がって、瓢箪のお酒を飲んでました。皇帝なんかになるより流れ者3年のほうがいいや~、ふっ、みたいな。
ここで私は驚いた。待て、この飲み方は、陳情令、魏嬰と一緒ではないかっ!と。魏嬰は勢い余って、だばだば零しながら飲んでたけども、あしゅーはあんまし零さない(^m^)
でも中国ではこうパコっと口開けて流し込むのが、のんべの典型的な表現ってことなんでしょうか。
顧湘は周子舒に興味を持ちます。流れ者が一銭も貰えてないのに幸せそうだと言うと、温客行は、ひなたぼっこをしているのだって答えてる。
そこへ従者と共に歩いて来たのは、張成嶺(ジャンチョンリン)、ええとこのボン、五湖盟、鏡湖派の三男坊です。彼はお金を与えようと従者に言い、従者は周子舒の胸元にお金を投げますが、周子舒は目を閉じたまま、それを払いました。ムッとする従者に、お前が投げるからだって成嶺。おお、心正しき少年って感じね。
それを見ていた顧湘が食事を奢ると声をかけると、周子舒は食事より酒にしてくれと。顧湘、嬉しそうに酒器を手に飛んできます。普通侍女がこんな勝手をするのを、主人が黙って見てるってないよね。やっぱりただの侍女じゃない。
突っかかる顧湘に、周子舒はひなたぼっこをしているだけだと答え、それを聞いた温客行も顧湘も、おや?となります。だってこれ、自分達の会話が聞こえてたの?ってことでしょ。
薄っすらと笑う温客行と周子舒、顧湘はなんだか自分だけ馬鹿にされたように思ったかな、酒器の取り合いから、手合わせとなってしまいました。
そして顧湘の鞭を避ける周子舒の足さばきを見ていた温客行は、何かに気付き、驚くのです。
こうやって見ると、五湖盟以外の大事な登場人物は、初回で結構出てるんですね。鬼谷の十大悪鬼も名前はまだでも、画面には9人出てましたし。江湖、五湖盟が入ってくると、おじさん大量感がすごくなりますよー。
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